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炭酸
「炭酸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
炭酸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
、舞台監督のT君は、帝劇《ていげき》の露台《バルコニー》に佇《たたず》みながら、
炭酸水《たんさんすい》のコップを片手に詩人のダンチェンコと話していた。あの亜麻色....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
か》って死んでしまった。)僕等は明るい瑠璃燈《るりとう》の下《した》にウヰスキイ
炭酸《たんさん》を前にしたまま、左右のテエブルに群《むらが》った大勢《おおぜい》....
「或る女」より 著者:有島武郎
にすわれと顎《あご》を突き出して相図した。そして激しく手を鳴らした。
「コップと
炭酸水を持って来い」
用を聞きに来た女中にこういいつけておいて、激しく葉子をま....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ものが小屋の中を出たり這入《はい》ったりした。仁右衛門夫婦の嗅《か》ぎつけない石
炭酸の香は二人を小屋から追出してしまった。二人は川森に付添われて西に廻った月の光....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
せる程度と同一でなく、前者よりも後者が多いからである。これには雰囲気中の水蒸気と
炭酸ガスが重要な役目をつとめるので、これについては既に各種の自著論文で詳細に論じ....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
に、貴方の仇敵もとってきたわよ」 「ええッ。――それは何のこと?」 彼女は冷い
炭酸水を摂りながら、意外なる出来ごとについて、僕に話して聞かせるのだった。―― ....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
門の外まで出て見ますと、狭い横町の入口には大勢の人が集まって騒いでおりまして、石
炭酸の臭いが眼にしみるようです。病人は避病院へ送られるらしく、黄いろい紙の旗を立....
「海底都市」より 著者:海野十三
ゅうかぶと》を頭にかぶせようと思うんですの。つまり、適当に酸素を補給させ、過剰の
炭酸|瓦斯《ガス》が排出《はいしゅつ》されるようになっていればいいんですから、そ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
た巾着とパイプ。灰皿に燐寸。燭台が一つ。但し蝋燭はない。あとは四本の洋酒の壜に、
炭酸水の入ったサイフォン一壜。――これが卓子の上のすべての品物だった。 灰皿の....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
分の一ぐらいとなる。もちろん艇の中では、たえず酸素をだす一方、空気をきれいにし、
炭酸ガスをとっている。艇は気密室で、空気が外にもれないようにつくってあるが、この....
「山の湯雑記」より 著者:折口信夫
、今まで多く歩いた諸国の温泉の中では、一番旨いと思った。一つは、私の味覚に最叶う
炭酸泉の量が多いからであろうと思う。が、其ほかにも、かわったものを含んでいるよう....
「街頭」より 著者:岡本かの子
基督降誕祭にはあと四五日の土曜の夜だ。高いオペラの空気窓から「タイスの」唄が
炭酸|瓦斯にまみれて浮き出ている。遅々たる行列の進みが百貨店の外の入口まで届くと....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
、喉が乾いていたところなので、カーッと味の解らないほど、口全体が熱くなった。 「
炭酸水をもらおうかな。」 「はい。」美和子は、側に来かかったよし子に、 「ウィル....
「科学が臍を曲げた話」より 著者:海野十三
て融合させようと思ったところが、もともと炭素のかたまりであるダイヤは、忽ち一陣の
炭酸|瓦斯と変じて、空中に掻き消えたという昔話があります。これも臍まげの一つです....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
しかしわが大阪の空気は炭坑に比べて決してよいと言うことは出来ませぬ。大阪の空中の
炭酸ガスの量は常に百分の五以上であり、その煤煙の量はまさに世界一であります。 ....