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「炯眼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

炯眼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
あるらしかった。蝶子はむくむく女めいて、顔立ちも小ぢんまり整い、材木屋はさすがに炯眼《けいがん》だった。 日本橋の古着屋で半年余り辛抱《しんぼう》が続いた。冬....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
「アア爾ですか」とのみ答えたが、探って愈々何の様な結果になるだろうとは、神の様な炯眼の読者でも知る事は出来まい、今思うと実に此の様に意外に、恐ろしい結果は又と有....
深夜の市長」より 著者:海野十三
は一大事だというので、まるで犯罪者のような挙動で駆けだしていたから、そこを老人の炯眼に睨まれたのかもしれない。こうなってはもう隠しているべき場合ではないと思った....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
うと努力していた。 戸浪三四郎が「一宮かおるの屍体に異常はないか」と聞いたのは炯眼だった。屍体の纏っていた衣服の左ポケットに、おかしな小布が入っていた。それは....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
だった。この隠れた事実を、紅子が知ったのは、極く最近のことで、それを教えたのは、炯眼きまわる大蘆原軍医だった。今夜の紅子の登場も、無論、軍医の書いたプログラムの....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
百貨店のエレベーター坑道の底部に開いているものは、エレベーター故障事件に発して、炯眼なる私立探偵|帆村荘六に感付かれたが、軍部は逸早くそれを識ると、数十万円を投....
地獄街道」より 著者:海野十三
て忽ち下へ墜ちてくるだろう」 「なるほど、そうなっているネ」と私はいよいよ友人の炯眼に駭かされた。 「しかしもう一つ考えなければならぬ条件は、吊り籠に載っていた....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
総統は死んだ」から始まって、総統が死に臨み、側近からデーニッツ提督を後継に選んだ炯眼と熱意とを指摘し、そして「ドイツ人は故人の意志を奉じて邁進精進することに於い....
什器破壊業事件」より 著者:海野十三
室内を一応隅から隅までぐるっと見廻すことを忘れなかった。 (あっ、あそこだわ!)炯眼なる彼女の小さな眼に映じた一つの異変! それは高い天井の隅にある空気抜きの網....
暗号音盤事件」より 著者:海野十三
白木が、私にそういった。 「冗談じゃない。今部屋をぐるっと見廻したばかりだ」 「炯眼な探偵は、さっと見廻しただけで、宝でも何でも、欲しいものを探しあてるのだけれ....
今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
年八月八日、私は日記を書く代りに、金博士に対して次のような手紙を書いたのだった。炯眼なる金先生|足下。まず何よりも、先生の御予言が遂に適中したことを御報告し、且....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
していた。 彼にあっては、その作品は幼時の溌剌たる官能を老いてますます増強した炯眼に依憑させ、そこから推移発展させて、始めて収めえたる数十篇である。その一つ一....
呪われの家」より 著者:小酒井不木
唖であることを、どうしてあなたは発見なさいましたか知りませんが、あなたのその御|炯眼を以てしても、恐らく私が女であるということは御承知にならないだろうと思います....
放浪」より 著者:織田作之助
度に出た。いやらしい程機嫌を誰彼にもとった。阿呆程強いもんはないと叔母はさすがに炯眼だった。 婚礼の日が急がれた。美津子の腹が目立たぬ内にと急がれたのだ。暦を....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
にその勢い衰えつつあったのに乗じ、全軍の指揮を一任せられたフォッシュ将軍の英断と炯眼によって独軍攻勢の側面を衝き、遂に攻守処を異にして連合軍勝利の基を開いたので....