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点く
「点く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
点くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
たばた。 程もあらせず、どこかでねじを圧したと見える、その小座敷へ、電燈が颯と
点くのを合図に、中脊で痩ぎすな、二十ばかりの細面、薄化粧して眉の鮮明な、口許の引....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
「その、氷嚢をあけていた、厭な人影が中へ入る、ひとりでに扉が閉る。途端に電燈が
点くかと思うと、すぐに消えた。薄暗を、矢のように、上衣なしの短衣ずぼん、ちょうど....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
照らして、墨でかいた炎か、鯰の跳ねたか、と思う形に点れていた。 いまにも電燈が
点くだろう。湯殿口へ、これを持って入る気で、境がこごみざまに手を掛けようとすると....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
パッと消えた。 「あっ、消えた」 「三十秒消えて、また点いて消えて、それからまた
点くといよいよ非常管制だよ」 二人の少年は、真暗なところに立って、夜光の腕時計....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ルの前には、通信兵員が七八名も並び、戴頭受話機をかけて、赤いパイロット・ランプの
点くジャックを覘ってはプラグを圧しこみ、符号のようなわけのわからない言葉を送話器....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
るようになっている。夜になるとこの鋲は見えなくなるから、代りに道の両側に信号灯が
点くような仕掛けになっている。 その国境線を間に挿んで両側に、それぞれの国の材....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
青年には縋るものが無かったので、前後も無く早口にこう話し出した。 ――宵の灯が
点くと間もなく、お由は何時もの通り裏梯子から、山名国太郎が間借りをしている二階へ....
「人造人間の秘密」より 著者:海野十三
ないのよ。このベン隧道のうえに点いていた灯よ」 「だって、ベン隧道のうえに、灯が
点く設備があるなどということを、きいたことがない」 「わかっているじゃありません....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
の室へ電気が通ずるだろう。そうすると、あの配電盤の真白い大理石の上に、赤い電球が
点くから、あなたはそれを注意していて下さい。その前に私は計算をしなければならない....
「地球要塞」より 著者:海野十三
る。そこまで入っていくと、自然に継電気《けいでんき》が働いて、洞穴の天井に電灯が
点くようになっている。 艇《ふね》がこの洞穴の広間へ、舳《へさき》を突込んだと....
「獏鸚」より 著者:海野十三
えて立ち上った。私には鸚鵡の種類などを暗記する趣味はない。 「なアに、まだ三十五
点くらいしか喋りはしないのに……」 「もう沢山だ。……しかし動物学の造詣で探偵学....
「夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
ろ、探険は、これからだッ」 わしは、一同を激励した。 皆の懐中電灯が、揃って
点くと、大分場内が明るくなって、元気がついたようだった。 「クレーンを動かすスウ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の口からも何かの手がかりになるような新らしい材料をあたえてくれなかった。あかりの
点く頃に半七はそこを出て、町内の自身番へゆくと、道具屋の惣八は飛んだ係り合いで、....
「世間師」より 著者:小栗風葉
一同は階下の例の大餉台を取囲んで、十時ごろから飲み始めた。そうして夕方|灯の
点くころまで飲み続けた。私は一人二階に残って、襤褸布団に裹りながら階下の騒ぎを聞....
「秋深き」より 著者:織田作之助
暫らく空を見ていたが、やがてまた歩きだした。 「貴方のような鋭い方は、あの人の欠
点くらいすぐ見抜ける筈でっけど……」 どこを以って鋭いというのかと、あきれてい....