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点す
「点す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
点すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
消えの雪の小松に丹頂の鶴、雛鶴。一つは曲水の群青に桃の盃、絵雪洞、桃のような灯を
点す。……ちょっと風情に舞扇。 白酒入れたは、ぎやまんに、柳さくらの透模様。さ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ソロと穴の中に差入れていった。この行動はすべて真暗の中で行われた。懐中電灯などを
点すと、万一、誰かに見咎められるかもしれない虞れがあったからだ。腋の下まで充分に....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
聚め、又警視庁の調書も読ませて貰い、なるほど証拠不充分、乃至は証拠絶無の事実を合
点することが出来たのであったが、どうしたものか、事件の底に猶消化しきれない或るも....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
不明にして、天寿の終りに近き篤学者が、いかにしてかかる愚挙を演じたるものや、その
点すこぶる判断に苦しむところと云うべし――。
「どうだね支倉君、第二回の変死事....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
く来た役人などは、最初はそれを信じないが、その実際を見るに及んで、初めて成程と合
点するそうである。 長城を築く――毛人らが何故それを恐れるかというと、かれらは....
「恐竜島」より 著者:海野十三
、とちゅうでなくすといけないから、おれに預けて行きねえ」 「こいつめ。おれが早合
点するのをいいことにして、うまくごまかして、先へ恐竜のところへやろうとしやがった....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
立身で圧えて、 「可い加減な、前例にも禁厭にも、烏瓜の提灯だなんぞと云って、狐が
点すようじゃないかね。」 「狐が
点す……何。」 と顔を蔽うた皺を払って、雲の晴....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
い、山から風が吹けば、畳を歩行くより確なもの、船をひっくりかえそうたって、海が合
点するものではねえと、大丈夫に承合うし、銑太郎もなかなか素人離れがしている由、人....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
て、朝ぼらけの山の端に、ふと朝顔でも見えましたら、さてこそさてこそ高峰の花と、合
点すれば済みます事。 処を、年効もない、密と……様子が見たい漫ろ心で、我慢がな....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
、壁が拱門形に切り抜かれている。そして、その所々には、クルージイと呼ばれて魚油を
点す壁灯や、長い鎖のついた分銅を垂している、古風な時計などが掛けられているのだか....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
ます。」 「おれも知っている。あすこにお安という小綺麗な女がいる……。いや、早合
点するな。おれに取持ってくれというのではない。あの女のからだを借りたいのだ。」 ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
く絃声流るるに似て清し。月あれども地上の光天をかすめて無きが如く、来往の船は自ら
点す燈におのが形を示し、棹に砕けてちらめく火影櫓行く跡に白く引く波、見る者として....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
もつかまったらどうします。」 「まあ、」 「ええ?」 「そうね。」とわけもなく合
点する。 愛吉は乗出して、 「呑気じゃあ困りますな。」 「だから私がいつでも言....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
って奥へ入ると、重太郎も黙って其後につづいた。窟の奥は昼も真暗であったが、お杉の
点す一挺の蝋燭に因っておぼろおぼろに明るくなった。 行くこと七八|間にして、第....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
色の塵塚ばかりとなった。あたりはすっかり灰色の世界となった。昼間から暗いので灯を
点す家もあった。それが墓地の中の線香ほどに見えた。坐を組んでいる慧鶴の前半身も同....