点ずる[語句情報] » 点ずる

「点ずる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

点ずるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
痴人の復讐」より 著者:小酒井不木
ますが、アトロピンは眼球の内圧を高める性質があるので、これを緑内障にかゝった眼に点ずることは絶対に禁じられて居るのであります。然し、その時一つは、眼底が見にくゝ....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
雑然たるが如く、雲の飛ぶ大空の下、簡単にして大まかなる、富士の大斜線に、砂の如く点ずるところの、室の軒端に飜っているのは、東海道五十三次の賑わいを、眼前に見る如....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
、白狐の化けた処なんだろう。」 わけもなくそう云って、紳士は、ぱっと巻莨に火を点ずる。 その火が狐火のように見えた。 「ああ、そうなのね。」 美しい女は頷....
おとずれ」より 著者:国木田独歩
り、かれが周囲には早くも十余人のもの集まりたり。廊下に出ずるものあり、煙草に火を点ずるものあり、また二人三人は思い思いに椅子を集め太き声にて物語り笑い興ぜり。か....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
いの多きに及ぶ所も、店にはガラス瓶や缶詰等の商品を見事に飾り立て、白熱ガス燈でも点ずる時は、ピカピカテカテカ輝り返して外観すこぶる美わしいけれども、物には裏表の....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
『てんせい』というのは眼のことだろう。画龍点睛という言葉がある。龍を画いて眼を点ずる! この点睛に相違ない。『しとう』というのは『指頭』のことだろう。指先とい....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
して、これはまた異常な熱狂ぶりである。太い縄のようなものといったのは、流星に火を点ずる時の導線となるもので、その中に火薬が詰めてあるとのことである。 桟敷は社....
三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
どは白い粉で尾のあたりからかいて、赤い舌などもちょっと見せ、しまいに黒い粉で眼を点ずる、不動明王の背負う火焔などは、真紅な粉で盛りあげながら描くといったような具....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
仕事としてわたしたちに残してくれたが、このことは、この人たちがいわば大いに光明を点ずる道具であったという事実なのだ。天才たちの労苦は、たといまちがったほうに向け....
月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
小さな穴だが月野博士は注意してその中を覗いていたが、何を思ったか洋寸を出して火を点ずるとパッと火が付いた。博士は大喜びで四辺の石を少しばかりとりのけてその中に飛....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
かきむしられる思いのするその地獄のような風音こそ、あたり一帯のむざんな光景に睛を点ずるものなのだが、その音のなかからは、聖書にあるヨブの妻の忠告が響いてくるよう....
迷信解」より 著者:井上円了
。すなわち、秋期に当たり、夜暗く雨の強く降るときに野外を歩するに、蓑の上に怪火の点ずるを見る。これを蓑火と名づけておる。その原因は燐の気に相違なかろうと思う。 ....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
徒は珠数を用うること (八)合掌跪座すること (九)香を焼くこと (十)常夜灯を点ずること (十一)読経、説教の順序、体裁の同一なること (十二)鈴および鐘を鳴....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
、屋根は赤瓦またはブリキを赤く塗りたるを用い、木壁もまた赤く塗り、緑樹の間に紅を点ずるの観あり。しかして風景の賞すべきものあらず。九時半マルメ駅に着す。これより....
読むうちに思ったこと」より 著者:小川未明
しいままに空間に形を描き、声なき声を発し、色なきに、紅紫絢爛、さま/″\な色彩を点ずるかゞ知られるのであります。 学生時代に、その講義を聴いた小泉八雲氏は、稀....