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点検
「点検〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
点検の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
江戸の町を歩きながら、風呂の中で聞いた悪評を、いちいち彼の批評眼にかけて、綿密に
点検した。そうして、それが、いかなる点から考えてみても、一顧の価のない愚論だとい....
「文放古」より 著者:芥川竜之介
発した怒火を一生懸命に抑《おさ》えながら、とにかく一応《いちおう》は彼女の論拠に
点検を加えようと決心した。下《しも》に掲《かか》げるのはこの文放古を一字も改めず....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ので、時には私も横合いから、『それは何でも君のように、隅から隅まで自分の心もちを
点検してかかると云う事になると、行住坐臥《ぎょうじゅうざが》さえ容易には出来はし....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
か話している三四人の給仕の姿も見えた。そうして――こう自分が鏡の中の物象を順々に
点検して、煖炉の前に集まっている給仕たちに及んだ時である。自分は彼等に囲まれなが....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
。が、見た覚えは確かにある。そこで本間さんは、慌しく頭の中で知っている人の名前を
点検した。
すると、まだその
点検がすまない中に、老紳士はつと立上って、車の動揺....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
不快になり、そわそわ甲板士官の側へ歩み寄った。 「どうしたんだ?」 「何、副長の
点検前に便所へはいっていたもんだから。」 それは勿論軍艦の中では余り珍らしくな....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
い。 ○俳優がはじめて扮装して現われた場合、演出者は必ずやり直しをさせるつもりで
点検するがよい。でないと眼前に現われた俳優の扮装にうっかり釣りこまれてしまうおそ....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
いつも内部で気をつけていると、鉄の腕金の方は下ろされ、錠前の方は午後十一時の
点検がすむとピチンと下ろされるが、それまではいつも外されていることが分った。する....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
ことは、明かに危険であると感じた。きっと出獄の前に、いまの二人が私の肉ポケットを
点検するだろう。そのときこそ百年目に違いない。――私は至急に別なラジウムの隠し場....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
なところに現われたんです」 と、一郎は屍体に何か変ったことでもありはしないかと
点検しながら訊ねた。 「あら、あたくしを御存知なのネ。まあ、どうしましょう」とジ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
のだった。 前日トラックの運転手は、空トラックを店のガレージの前に停め、車体の
点検を行ったとき、ふしぎなことに、後の荷置き場の隅《すみ》に赤革トランクが逆《さ....
「海底都市」より 著者:海野十三
らない行きがかりとはなった。 カビ博士は、僕にきせた潜航服をもう一度めんみつに
点検して、異常のないのをたしかめた後、僕に門出《かどで》の祝福《しゅくふく》をの....
「火星探険」より 著者:海野十三
手間がとれて出発は午後三時となったのだ。 この間、研究団員も、この洞窟の中まで
点検には入って来なかった。いくら物好きでも、まさかこんな奥深い中に人間が隠れてい....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
。 司令官に面会 その翌朝のことであった。 長谷部大尉は、毎朝の日課の
点検その他が終ると、ひとりでことことと狭い鉄梯子を伝って機関部へ下りていった。 ....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
……」 「僕は鬼神のような冷徹さでもって、ミチミの身体を嚥んだ空虚の棺桶のなかを
点検した。そのとき両眼に、灼けつくようにうつったのは、棺桶の底に、ポツンと一と雫....