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「点頭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

点頭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
愛問題を話し出した。広子は小首《こくび》を傾けながら、時々返事をする代りに静かな点頭《てんとう》を送っていた。が、内心はこの間も絶えず二つの問題を解決しようとあ....
路上」より 著者:芥川竜之介
着て、相不変《あいかわらず》傲然《ごうぜん》と彼の側へ歩いて来た。二人はちょいと点頭《てんとう》を交換した。 「野村はまだ来ていないか。」 俊助がこう尋ねると....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
元へ微笑を浮べて見せた。 彼は例の通り当惑しながら、ちょいと挨拶《あいさつ》の点頭《じぎ》を送った。娘は水甕を頭へ載せながら、眼でその挨拶に答えると、仲間の女....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
すから。」 年とった支那人は気の毒そうに半三郎を見下《みおろ》しながら、何度も点頭《てんとう》を繰り返した。 「それはあるならばつけて上げます。しかし人間の脚....
守の家」より 著者:伊藤左千夫
居った。お松は「今夜坊さんはねえやの処へ泊ってください」と頻りに云ってる。自分は点頭して得心の意を示した。母は自分の顔を見て危《あやぶ》む風で「おまえ泊れるかい....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
思想の圧迫に温和しく抑えられて服従しておる。文人は文人同志で新思想の蒟蒻屋問答や点頭き合いをしているだけで、社会に対して新思想を鼓吹した事も挑戦した事も無い。今....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
中に立って、両手を盛んにふって話を始めた。 そのうちに博士が一歩下って、うんと点頭いた。するとベラン氏が躍りあがった。それから博士の手を両手で握って、強く振っ....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
けに大声でぶッつけられたので、学士はその時少なからず逡巡しつつ、黙って二つばかり点頭いた。 「旦那さん、お願だから、私に、旦那さんの身についたものを一品下んせね....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
どの辺にあるでしょう。御存じはありませんか。」 「ほん、ほん。」 と黄饅頭を、点頭のままに動かして、 「茸――松露――それなら探さねば爺にかて分らぬがいやい。....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
した。痩和尚の黄色がかった青い長面。で、てらてらと仇光る……姿こそ枯れたれ、石も点頭くばかり、行澄いた和尚と見えて、童顔、鶴齢と世に申す、七十にも余ったに、七八....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
ありますか、お爺さん。」 「あるだ。」 その時、この気軽そうな爺さんが、重たく点頭した。 「……阿武隈川が近いによって、阿武沼と、勿体つけるで、国々で名高い、....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
が懐手をしたように、遥に虚空へ、遥に虚空へ―― 群集はもとより、立溢れて、石の点頭くがごとく、踞みながら視ていた、人々は、羊のごとく立って、あッと言った。 ....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
ねって字間も一定せず、偏と旁が重なり合ったり離れ過ぎたりして一見盲人の書いたのが点頭かれるのもある。中にはまた、手捜りで指の上に書いたと見え、指の痕が白く抜けて....
不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
の周囲の事情から壁や柱の色合などへかけて、彼等の潜伏する場所として屈強の棲家だと点頭れるのだから、そういうような話の方面からも、この羅馬を開拓すれば、何か頗る面....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
ホントウですか、」と反問すると、 「ホントウとも、ホントウとも、」とU氏は早口に点頭いて、「ホントウだから困ってしまった。」 U氏が最初からの口吻ではYがこの....