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烈しい
「烈しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
烈しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
なければならない。しかし当てもない旅に出るのは現在の伝吉には不可能である。伝吉は
烈しい絶望の余り、だんだん遊蕩《ゆうとう》に染まり出した。「農家義人伝」はこの変....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
入した。彼は僕よりも三割がた雄《おす》の特性を具えていた。ある粉雪《こなゆき》の
烈しい夜《よる》、僕等はカッフェ・パウリスタの隅のテエブルに坐っていた。その頃の....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
《ひょうえ》をつけ狙った。が、その後《ご》四五日すると、甚太夫は突然真夜中から、
烈しい吐瀉《としゃ》を催し出した。喜三郎《きさぶろう》は心配の余り、すぐにも医者....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
つかり次第、火炙《ひあぶ》りや磔《はりつけ》に遇《あ》わされていた。しかし迫害が
烈しいだけに、「万事にかない給うおん主《あるじ》」も、その頃は一層この国の宗徒《....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
何か申しました。………」
「何かとは?」
「何と申したかはわかりませぬ。ただ何か
烈しい中に声を出したのでございまする。わたくしはその時にはっきりと数馬だなと思い....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
らずその音は次第に高くざわめき立って、とうとう戦《たたかい》でも起ったかと思う、
烈しい喊声《かんせい》さえ伝わり出した。これにはさすがの老人も、いささか意外な気....
「少年」より 著者:芥川竜之介
では――」
宣教師はまた前のように一同の顔を見渡した。自働車はちょうど人通りの
烈しい尾張町《おわりちょう》の辻に止まっている。
「では皆さん、さようなら。」
....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
るが早いか、突然大声に笑い出した。大声に、――実際その哄笑《こうしょう》の声は、
烈しい敵味方の銃火の中に、気味の悪い反響を喚《よ》び起した。
「万歳! 日本《に....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
かい、午前だけはちゃんと勉強します。午後はトタン屋根に日が当るものですから、その
烈しい火照《ほて》りだけでもとうてい本などは読めません。では何をするかと言えば、....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
と僕に声をかけた。僕はちょっとふり返り、プウルの前に立った妻を見つけた。同時に又
烈しい後悔を感じた。 「おとうさん、タオルは?」 「タオルはいらない。子供たちに....
「滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
から、ざっと十年ばかりの間可也親密につき合っていた。滝田君に鮭鮓の御馳走になり、
烈しい胃痙攣を起したこともある。又雲坪を論じ合った後、蘭竹を一幅貰ったこともある....
「狂女」より 著者:秋田滋
と床に臥就いてしまい、六週間と云うものは譫言ばかり云いつづけていた。やがて、この
烈しい発作がおさまると、こんどは、倦怠とでも云うのだろう、どうやら静かな症状がつ....
「初雪」より 著者:秋田滋
う部屋のなかはそれで一ぱいになっているようである。敵のように陰険で、しつッこく、
烈しい力をもった透間風である。彼女はどこへ行っても、それに出ッくわした。その透間....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ラデーはそのまわりを踊って喜んだ。 またジェームス・ヘイウードがイーストパンで
烈しい雷雨おった。 発見の優先権については、ファラデーは非常に重きを置いた。フ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
をかき分けるようにして馳けて行った。 「ジャン! ジャーン!」 こうして彼は、
烈しい悲しみに打ち拉がれ、時には気が狂ってしまったのではあるまいかと思いながら、....