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「烏滸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

烏滸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
低めながら促しました。 「いかがでござりましょう! お殿様方に御贔屓願いますのも烏滸がましいようなむさくるしい宿でござりまするが、およろしくば御案内致しまするで....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
二つの幻影 北風が寒く、冬らしい日。 然し東京附近で冬を云々するのは烏滸がましい。如何に寒いと云っても、大地が始終|真白になって居るではなし、少し日....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
ら、従って、一松斎へ、貴さまも、縁切り状をつけねばならぬ――」 平馬は、自分の烏滸《おこ》のこころに引きくらべて、雪之丞が、現在、平気をよそおってはいながらも....
十二支考」より 著者:南方熊楠
伝に交趾の西に人を※《くら》う国あり云々、妻を娶って美なる時はその兄に譲る。今|烏滸《おこ》人これなり。阿呆を烏滸という起りとか。明和八年板、増舎大梁の『当世傾....
文学の大衆化論について」より 著者:宮本百合子
に大衆化を叫んでいたのであって、考えて見ればそれらの人間が大衆を云々するなどとは烏滸《おこ》がましい、という風な論である。 日本のプロレタリア文学運動が、当時....
全体主義への吟味」より 著者:宮本百合子
、だからこう、と、一方へぐっと傾く。これまで、民衆を指導するなどと考えていたのは烏滸《おこ》の沙汰である。先ず自分から民衆の一人となって、その日常の内へ入って、....
デカルト哲学について」より 著者:西田幾多郎
法的実在の世界となった。世界は客観的理性の自己発展の世界となった。世界は、しかし烏滸《おこ》がましいが、私はヘーゲルにおいても、絶対否定的自覚の立場に到らなかっ....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
じまする、皆、太夫様の御人徳。続きましては、手前預りまする池なり、所持の屋形船。烏滸がましゅうござりますが、従って手前どもも、太夫様の福分、徳分、未曾有の御人気....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
異だ。 それに反して我が無名丸の中には、少なくとも貴族がいる。自分から言うのは烏滸《おこ》がましいが、現在自分の身柄がすでに貴族でないと誰が言う。日本に於て、....
「二銭銅貨」を読む」より 著者:小酒井不木
分は満腔の賛意を表するのである。 芸術の鑑賞と批評――などと鹿爪らしく言うのも烏滸がましいが、優れたる探偵小説なるものは誰が読んでも面白いものでなくてはならな....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
》資本の独占に抗して、不幸なる貧者《ひんしゃ》の救済に傾《かたむ》けるなり。妾が烏滸《おこ》の譏《そし》りを忘れて、敢《あ》えて半生の経歴を極《きわ》めて率直に....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
考えて見ても、すでに曖昧糢糊たるものであるから、そんなことを書こうなどというのは烏滸がましき業だと思う。私はこれまで何遍も、船長の人物を説明すべき鍵を握ったと思....
俊寛」より 著者:倉田百三
。そして彼らは父がかかる怯懦なる器量をもって、清盛を倒そうともくろんだのは、全く烏滸の沙汰であると放言しました。むろん、わしは彼らの話の細部は信じなかった。しか....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
献の有無を検討するにしても鶴見はまるで不案内である。こんな疑惑は畢竟無知のさせる烏滸の沙汰である。そうであって欲しいと思って見ても、不審は解けない。 ただ、そ....
善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
これはこれはお姫様、とんだ失礼を致しまして真っ平ご免遊ばしませ。なアんて云うのも烏滸がましいが私は泥棒の鼠小僧、お初お目見得に粗末ながら面をお目にかけやしょう」....