烏金[語句情報] » 烏金

「烏金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

烏金の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
はよかったね。一つと見えたる長範が二つになってぞ失《う》せにけりと云うが、あんな烏金《からすがね》で身代《しんだい》をつくった向横丁《むこうよこちょう》の長範な....
婦系図」より 著者:泉鏡花
いから、天下泰平、家内安全、鳳凰は舞い次第、英吉は遊び放題。在学中も、雨桐はじめ烏金の絶倍で、しばしばかいがんの掴みだと思うと、手八の蒔直しで夜泊の、昼流連。祖....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
、姿見の前で……」 境が思わず振り返ったことは言うまでもない。 「金の吸口で、烏金で張った煙管で、ちょっと歯を染めなさったように見えます。懐紙をな、眉にあてて....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
くりと頷いて、 (火の車で行かさるか。) 馬鹿にしている、……此奴は高利貸か、烏金を貸す爺婆だろうと思ったよ。」 と民弥は寂しそうなが莞爾した。 梅次がち....
食魔」より 著者:岡本かの子
で、法帖作りをやっているのだが、墨色に多少の変化こそあれ蝉翅搨といったところで、烏金搨といったところで再び生物の上には戻って来ぬ過去そのものを色にしたような非情....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
の下なりし机の上も片づきて、硯の蓋に塵もおかず、座蒲団を前に敷き、傍なる桐火桶に烏金の火箸を添えて、と見ればなかに炭火も活けつ。 紫たんの角の茶盆の上には幾個....
終電車に乗る妖婆」より 著者:田中貢太郎
消えてなくなるのであった。これは神明町の下駄屋の婆さんが其の前年の暮、貸してある烏金を取立に往っての帰りに、宇田川町の鳥屋の前で電車に轢かれて死んだが、其の婆さ....
我が円朝研究」より 著者:正岡容
らぬ次第といえよう。 ――さて小石川服部坂の旗本深見新左衛門、盲人宗悦に借りた烏金《からすがね》が返金できずつい斬り棄ててしまう。この宗悦の娘で富本の師匠たる....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
の類。黄金の無垢で、簪の玉を彫んだのもある。地金は多くは銀だが、青銅も、朧銀も、烏金も……真黒な瓜も面白い。皆、甜瓜を二つに割って、印籠づくりの立上り霊妙に、そ....