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「烟草〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

烟草の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
酒中日記」より 著者:国木田独歩
はそのまま帯を風呂敷に包んで元の所に置き、寝間に還《かえ》って長火鉢の前に坐わり烟草《たばこ》を吹かしながら物思に沈んだ。自分は果してあの母の実子だろうかという....
無惨」より 著者:黒岩涙香
私しは死骸の口を引開て歯の裏を見ましたが煙脂で真黒に染って居ます何うしても余程の烟草|好です煙草入を持て居ない筈は有ません、是が書生上りとか何とか云うなら随分お....
菜の花」より 著者:小島烏水
花の配合などを考えたことがある、中にも私の好む菜の花の場所は、相模大山の麓、今は烟草の産地として名高い秦野付近で、到るところ黄の波を列ねていた――併し此頃往って....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
か、甚だあいまいな乾※子の寄って来ることがある。かれらは人を見ると非常に喜んで、烟草をくれという。烟草をあたえると、立ちどころに喫ってしまって、さらに人にむかっ....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
抜けると、御案内の通り片側は籾倉で片側町になって居りまして、竹細工屋、瀬戸物屋、烟草屋が軒を並べて居り、その頃田月堂という菓子屋があり、前町を出抜けて猿子橋にか....
太郎坊」より 著者:幸田露伴
うになって帰って来た。縁に花蓙が敷いてある、提煙草盆が出ている。ゆったりと坐って烟草を二三服ふかしているうちに、黒塗の膳は主人の前に据えられた。水色の天具帖で張....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
なり、五銭となり、以後十年間に八銭又は十銭までに騰った。ほかに座蒲団の代が五厘、烟草盆が五厘、これもだんだんに騰貴して、一銭となり、二銭となったので、日露戦争頃....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ます。母が洗い物をしていられる時、花を拾ったり、流しから落ちる水に蛙がいるので、烟草の粉を貰って来て釣ったりします。花のある間が長いので百日紅といいます。 裏....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
の軒並び二町ばかり洲崎の方へ寄った角に、浅草紙、束藁、懐炉灰、蚊遣香などの荒物、烟草も封印なしの一銭五厘二銭玉、ぱいれっと、ひーろーぐらいな処を商う店がある、真....
拷問の話」より 著者:岡本綺堂
取ったことであった。 吉五郎は万吉と清七と三人づれで忠蔵の店へ行って、鼻紙袋や烟草入れなどを注文した。色々の品物を出させてみて、あれかこれかと詮議した末に、ど....
銀座の朝」より 著者:岡本綺堂
夏の日の朝まだきに、瓜の皮、竹の皮、巻烟草の吸殻さては紙屑なんどの狼籍たるを踏みて、眠れる銀座の大通にたたずめば、ここ....
」より 著者:岡本綺堂
(太吉は無言で首肯く。重兵衛は鮓を一つ取って旨そうに食い、茶をのむ。旅人は巻烟草を出して吸いはじめる。梟の声。) 重兵衛 わたしばかりが遠慮なしに喰べていち....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
をしているなあ。 君、来給え。あいつ等の行く方へ附いて行こう。 濃いビイルに強い烟草。 それに化粧をした娘と云うのが、己の註文だ。 良家の処女 ちょいと....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
主「何うも女は美いが歩きつきが悪いな、ちと屈む癖があるから反らせるが宜い、お前烟草を人に付けて出すのに、それでは色気がない、斯うすると宜い」 と教えて貰う。....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
しめられた。此処で左岸に徒渉すると、立派な道が雑木の茂った段丘の上に通じている。烟草の包紙やキャラメルの箱などそこらに落ち散っているのは、湯治客の捨てたものであ....