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烽火
「烽火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
烽火の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
もなった。今までの人数の二倍も乗っているように船は動いた。岸から打ち上げる目標の
烽火が紫だって暗黒な空の中でぱっ々として火花を散らしながら闇の中に消えて行く。そ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
は既に本能化したものである。盲目の偉大な力である。今や、はね散って、むす子の上に
烽火を揚げている。逸作は実に心中|讃嘆し度いような気持もあり乍ら、口ではふだんか....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
るたった一つの障害なのじゃ。歪んだ空想のために、常軌を逸しとるのです。儂は虚妄の
烽火には驚かんて」
「ハハハハ、虚妄の
烽火ですか」法水はとたんに爆笑を上げたが、....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
延ばし、灯籠の台笠へ指を触れた。途端に轟然たる音がして、石灯籠の頂上から、一道の
烽火が立ち上り、春日|怡々たる長閑の空へ、十間あまり黄煙を引いた。 あまりの意....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の耳についてしまった。 とうとう、新しい時代の来るのを待ち切れないような第一の
烽火が大和地方に揚がった。これは千余人から成る天誅組の一揆という形であらわれて来....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
それでも一度それらの南蛮船が長崎の沖合いに姿を現わした場合には、急を報ずる合図の
烽火が岬の空に立ち登り、海岸にある番所番所はにわかにどよめき立ち、あるいは奉行所....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
するところは翌二月における佐賀県愛国党の暴動と化し、公然と反旗をひるがえす第一の
烽火が同地方に揚がった。やがてそれは元参議江藤新平らの位階|褫奪となり、百三十六....
「読書法」より 著者:戸坂潤
産業哲学と云っても、氏に云わせると、ドイツや北ヨーロッパの科学者やエンジニヤーが
烽火を挙げた新しい工業の精神であるというのであり、氏の所謂「第二産業革命」の声に....
「今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
を拓いた。一九三〇年頃からアメリカに於て新しきヒューマニズムの問題に関する最初の
烽火がアーヴィング、バビット、ポオル等によってあげられた。フェルナンデスはその運....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
盟」のヤロスラフスキーやチモスコ、マキシモフ、ドミトリエフ等は、デボーリン反対の
烽火を挙げ、ミーチン等は『プラウダ』に於てデボーリン批判論文を掲げた。之に対して....
「変った話」より 著者:寺田寅彦
もそれは今のラジオのような波長の長い電波ではなくて、ずっと波長の短い光波を使った
烽火の一種であるからそれだけならばあえて珍しくない、と云えば云われるかもしれない....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
り、壺と目醒む。 火に媚びる蜥蜴と殻を脱ぐ人魚の歌と、 日々夜々に爆発する天体の
烽火と、 それ等はすべて壺に。われは壺を凝視す。 輪廻の車は妄執の業によって永....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
なかったら義人だが。もっとも血眼で探したって、義の付く人間なんかいませんがね――
烽火を揚げたらどうなりましょう」 「煽動したらと云うのかい」 乞食は幽かに頷い....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
しばしば草沢の無名の英雄に成し遂げられるように、文芸上の革命もまた往々シロウトに
烽火を挙げられる。京伝馬琴以後落寞として膏の燼きた燈火のように明滅していた当時の....
「熊」より 著者:神西清
る! 正真正銘の女だ! 煮えきらない、めそめそしたのと違って、火の玉だ、火薬だ、
烽火だ! 殺すのが惜しいくらいだ! ルカー (泣く)旦那……お願いです、出てって....