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無き者
「無き者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無き者の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
ったのは、この地方住民の懶惰《らんだ》極まる事である。孟子の所謂《いわゆる》恒産
無き者は恒心無しとでも謂《い》うものか、多少でも財産や田畑《でんぱた》のある者は....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
四節以下)、而して今時の説教師、其新神学者高等批評家、其政治的監督牧師伝道師等に
無き者は方伯等を懼れしむるに足るの来らんとする審判自己の主張を説くのである、願く....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
発起人なるに相違なけれど倉子の自由自在に湧出る涙は能く陪審員の心を柔げ倉子は関係
無き者と宣告せられ生田は情を酌量し懲役終身に言渡されたり。 藻西太郎は妻に代り....
「運命」より 著者:幸田露伴
。今年七十有一、死|旦夕に在り、といえるは、英雄も亦大限の漸く逼るを如何ともする
無き者。而して、今万物自然の理を得、其れ奚にぞ哀念かこれ有らん、と云える、流石に....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
ぼと歩み行くお前は? 水の如く地上に来り、やがて風の如くに去り行くであろう汝、名
無き者は? 俳優の魂が身体を抜出し、見物席に腰を下して、舞台の自分を眺めている....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
の法廷に召されて審判を受けます。即ちその心臓を秤にかけられて罪の軽重を秤られ、罪
無き者は神と合し、罪の軽いものは禽獣草木に生れ換り、悪業の深い者は魔神のために喰....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
からお達しがあり、かの十人の者ども各々その女房を召連れてまかり出ずべし、もし女房
無き者は、その姉妹、あるいは姪伯母、かねて最も近親の女をひとり同道して出頭致すべ....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
可し、笑う者は測るべからず、である。求むる有るものは弱し、恐るるに足らず、求むる
無き者は強し、之を如何ともする能わず、である。不可解は恐怖になり、恐怖は遁逃を思....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
者共、めいめい世界中名高き巨万の分限にありながら、足ることを知らず、強慾非道限り
無き者共、身分の程を顧みず報国は成らずとも、皇国《みくに》の疲労に相成らざるやう....
「狼疾記」より 著者:中島敦
か……」云々《うんぬん》。 「簡単なオプティミズムへの途を教えてやろう。天才と才
無き者、健康者と虚弱者、富豪と貧民との差といえども、生れて来た者と生を与えられざ....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
と説くのはただに欧米人ばかりではない。これこそ美の源泉そのものの相異を認識する力
無き者の商量であるといわねばならない。 日本に於ける大和民族の美の源泉は深く神....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
かと、しばし、眼を閉じて黙想するのであったが、そんな時にはみ前にありては全く己を
無き者と思うのほか別になすべきところなきなりと、ご聖体の前にあるがごとくとなえる....
「味を知るもの鮮し」より 著者:北大路魯山人
れるものであるが、経験不充分な者、責任を敢えて感ぜざる者、全然無神経なる者、誠意
無き者等によって、中毒原因の根本をつくっていると、私は見る者であって、食品原料を....