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無事
「無事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
この手紙は印度《インド》のダアジリンのラアマ・チャブズン氏へ出す手紙の中に封入し、氏から日本へ送って貰うはずである。
無事に君の手へ渡るかどうか、多少の心配もない訣《わけ》ではない。しかし万一渡らな....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
よ》じ登る音、――それぎりひっそりしてしまったのは、もうどこか塀《へい》の外へ、
無事に落ち延びたのでございましょう。が、突き放された相手の一人は、格別跡を追おう....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
した》の色ごのみなどと云う御渾名《おんあだな》こそ、御受けになりましたが、誠に御
無事な御生涯で、そのほかには何一つ、人口に膾炙《かいしゃ》するような御逸事と申す....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
た時、彼が少女と交換した、下《しも》のような会話を知らなかった。
「やっと芝居が
無事にすんだね。おれはお前の阿父《おとう》さんに、毎晩お前の夢を見ると云う、小説....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
たから、一度は引き受けて見たようなものの、万一ばれた日にゃ大事《おおごと》だと、
無事に神戸《こうべ》へ上がるまでにゃ、随分これでも気を揉《も》みましたぜ。」
「....
「葱」より 著者:芥川竜之介
の百合《ゆり》が、手際よくその中にさしてある。察する所この百合は、花びらさえまだ
無事でいたら、今でもあのカッフェの卓子《テエブル》に飾られていたのに相違あるまい....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
どは妄《みだ》りに咫尺《しせき》することを避けなければならぬ。しかし今は幸いにも
無事に如来の目を晦《くら》ませ、――尼提ははっとして立ちどまった。如来はいつか彼....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
ま》の隅に、蜂は軒先《のきさき》の蜂の巣に、卵は籾殻《もみがら》の箱の中に、太平
無事な生涯でも送ったかのように装《よそお》っている。
しかしそれは偽《いつわり....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
小さい魚を下げていらっしゃいました。
「僧都《そうず》の御房《ごぼう》! よく御
無事でいらっしゃいました。わたしです! 有王《ありおう》です!」
わたしは思わ....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
。滄桑五十載《そうそうごじっさい》を閲《けみ》した後《のち》でも、秋山図はやはり
無事だったのです。のみならず私も面識がある、王氏の手中に入ったのです。昔は煙客翁....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
叱ったり励ましたりしていたものの、さてあのお島婆さんを向うにまわして、どうすれば
無事に二人の恋を遂げる事が出来るかと云うと、残念ながら勝算は到底ないと云わなけれ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
ビルディングばかり並んでいる電車線路の向うを歩くことにした。しかしそこも一町とは
無事に歩くことは出来なかった。 「ちょっと通りがかりに失礼ですが、……」 それ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
支那服を着せられた妙子が、じっと椅子に坐っていました。さっき窓から落した手紙は、
無事に遠藤さんの手へはいったであろうか? あの時往来にいた人影は、確に遠藤さんだ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
ずその郵書を手にするより父の手にて記されたる我が姓名の上に涙を落したり。書中には
無事を問い、
無事を知らせたるほかに袷襦袢などを便りにつけて送るとの事、そのほか在....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
つけた。しかしそれは重なりあった大枝が風にそよいでこすれる音にすぎなかった。彼は
無事にこの木を通りすぎた。だが、新たな危険が行手に横たわっていたのだ。 この木....