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無人境
「無人境〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無人境の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高山の雪」より 著者:小島烏水
ょうど十九世紀に著しく勃興した探検事業は、科学的研究心と合体して、未知数に向い、
無人境に向った結果、山岳研究ということが、欧洲より米国に、また日本に伝わって来て....
「ある宇宙塵の秘密」より 著者:海野十三
世界は大きく震駭した。万有引力の中点……なるほどそんなものが考えられる。それは
無人境の大地にあいている深い陥穽のようなものだ。一度墜ちてしまえば、救われること....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ていた。 速水は靴のままで、ゴトゴト板の間を踏みならしながら歩き出した。まるで
無人境を踏破しているかのように。 「この家は留守なのかい」 「どうして?……ホラ....
「蠅」より 著者:海野十三
身が流れ出されて、土の上に出ているかもしれないと思った。 「殺したのは誰だ。この
無人境で、妻を殺したのは誰だッ」 そのとき、入口の扉がコツコツと鳴った。誰かが....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
た。 そのとき、何処からともなくヒューッ、ヒューッ、と妖しき口笛が響いてきた。
無人境に聞く口笛――それは懐しくなければならない筈のものだったけれど、なぜか青年....
「地球盗難」より 著者:海野十三
れはいけない。……誰か手を貸してくれないかア……。」 と、無駄と知りつつ、彼は
無人境に等しい怪博士邸内の動力室で、悲鳴をあげた。 そのときだった。 「おお…....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
和した象徴でもあった。 とまれそこに厳然と千体仏は刻まれていた。そうしてそこは
無人境であった。人の訪わない地の底であった。今、小船が流れ寄った。船の底には人が....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
三光町から府下大崎町に跨った高台の邸宅は陽を受けた半面を鮮かに浮き出させながら、
無人境のように静まり返っていた。 石子刑事は渡辺刑事を伴ってとある横丁に這入っ....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
窩人の数はわずか二百人となってしまった。こうして秋が去り冬が来た頃には、笹の平は
無人境となった。最後に残った二百人を杉右衛門自ら引卒れて放浪の旅へ登ったからであ....
「月世界探険記」より 著者:海野十三
ないものと信ぜられていた。だから「危難の海」に現われたこの小さい白点は、月世界の
無人境説の上に、一抹の疑念を生んだ。 念のために、二百|吋という世界一の大きな....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
。なにしろ下が東京の銀座とか日比谷公園でもあるのならともかく、氷点下何十度という
無人境なんだ。そんなところへ落下傘でおろすような奴は、やっぱり善人ではない」 ....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
基くものだった。 その露地には、まるで人けがなかった。倒れた家だけあって、全く
無人境にひとしかった。杜はまるで夢のなかの町へ迷いこんだような気がした。 なぜ....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
死ぬ時にはじめて終るはずの私の放浪が始まった。私は、地上を広く歩きまわり、旅人が
無人境や蛮地で出会うすべての辛苦に堪えた。自分がどうして生きてきたか、私は知らな....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
知らないが、図南の鵬翼を太平洋の風に張った勇士にちがいない、それが海難にあって、
無人境の白骨となったとすれば、あまりに悲惨な話じゃないか、だがけっして犬死にでな....
「小生のあけくれ」より 著者:北大路魯山人
日自家の湯に第一番に入る。湯から出れば間髪を入れずビールの小|壜を数本痛飲する。
無人境に近い山中の一軒家においてである。目に見るものは、虚飾のない自然のままの山....