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「無住〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無住の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うじ》……名前はひどく勿体らしいのですが、いやもう荒れ果てた小さい古寺で、一時は無住になっていたというくらいですから、大抵お察しが付くでしょう。その古寺へ四、五....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
敷まで出向いた。なるほど古い屋敷ではあるが、夜目に門がまえを見ただけでは、それが無住の家であるかどうかを覚られそうにもなかった。門内も玄関先のあたりだけは、草が....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
ん折角の御親切ではござるが、平にお捨置きを願いたい」 浪人「いえ/\、手前は無禄無住の者で、浪々の身の上、決して御心配には及びません、御主名を明すのを甚く御心配....
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
得た、僕の縁類が佐野にあるから、佐野へ持って往って、山の中の谷川へ棄てるか、又は無住の寺へでも埋めれば人に知れる気遣はないから心配したもうな」 と三百円の金を....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
」ということも、決して死ぬのじゃなくて、永遠なる「不死の生命」という涅槃です。「無住処」とは、住処すなわち住する処なき涅槃という意味で、他の語でいえば「生死に住....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
後の国|関川へ出て、高田を横に見て、岡田村から水沢に出まして、川口と云う処に幸い無住の薬師堂が有ると云うので、これへ惠梅比丘尼を入れて、又市が寺男になって居てお....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
古寺、西明寺の、見る影もなく荒涼んだ乱塔場で偶然|知己になったので。それから――無住ではない、住職の和尚は、斎稼ぎに出て留守だった――その寺へ伴われ、庫裡から、....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
いはいよいよ深くなった。狸尼の名は僕よりも小さい子供ですらもよく知っている。堂は無住のままで立ち腐れになってしまった。尼を信仰していた僕の祖母も、狸が人間に化け....
犬神娘」より 著者:国枝史郎
出来ているのが、不思議に思われてなりませんでした。それにその屋敷全体が、どうやら無住の空家らしく、雨戸も窓も閉ざされていることも、何か心にかかりました。この日の....
染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
った。 黒板塀、忍び返し、昔はさぞかしと思われるような寮構えだが大きな屋敷だ。無住で手入れが届かないと見え、随分あちこち破損している、植込などは荒れている。屋....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
はなかった。玄関の方へ寄って行った。戸の合わせ目へ耳をあて、家内の様子を窺った。無住の寺のように寂しかった。試みに片戸を引いてみた。意外にも、スルリと横へ開いた....
弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
が、依然として返辞はなかった。 「やれやれ」と若武士は呟いた。 「これはどうやら無住の館らしい。とするとどうしてあの老人は、こんな所を世話したのであろう?」 ....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
の屋敷内が整然と、掃除が行き届いているにも似て、闃寂と人気のないことで、あたかも無住の寺のようであった。 しかしじっと耳を澄ますと、金と金と触れ合う音、そうか....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
た時は、和尚は、あれから直に亡くなって、檀を開くのに、村の人たちが立会った。――無住だった――というから。 お優さんの骨――ばかりでなく、霊に添って、奥の庵を....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
なければならぬ。それがために自ら今日の国防に適合する軍隊に維新せねばならぬ。北満無住の地は我らの極楽であり、その極楽建設が昭和の軍人に課せられた任務である。 (昭和十六年二月十二日)....