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無刀
「無刀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無刀の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
次の日は、吉田監物家来下河原園八郎がお呼出しに相成り、縁側の処へ上下《かみしも》
無刀で出て居ります。曲淵甲州公は御席《ごせき》に就きましたが、辨天屋の抱え紅梅は....
「鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
人である。禅でも心の無を重んじるが剣も心を虚《むなし》くする事を大切としている。
無刀流とか無念流とか無想剣とか無を大事にした事は多い。 「打太刀にも、程にも、拍....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
番衆などはここを通行した。吉左衛門なり金兵衛なりは他の宿役人を誘い合わせ、羽織に
無刀、扇子をさして、西の宿境までそれらの一行をうやうやしく出迎える。そして東は陣....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
「へえ、入れて置きました」 圖「これ/\千島、手前腰の物を差して往かん方が宜い、
無刀の方が却って気を許すからなそれに一人では宜くない、長治と二人で出ろ、重々しく....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
、(凡て殿中では上下共に小刀のみである。長刀は君公に限り小姓が持つ。)それから、
無刀のままで居間の入口から膝行して世子の側へ進んで用談をするのである。常には我々....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
どり出て、左の腰際へ走ったのは、いつものくせで、刀の柄《つか》に、手をかける心。
無刀《むとう》なのを、瞬間忘れたほどの怒りでした。
「先生にかわって御成敗いたす....
「旧藩情」より 著者:福沢諭吉
帯《たい》すれども袴《はかま》を着《つ》けず、隣家の往来などには丸腰《まるごし》
無刀のことなるもあり。また宴席、酒|酣《たけなわ》なるときなどにも、上士が拳《け....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
るがよい」 こういって、一つの公案を授けて行った。その公案――問題というのは、
無刀の太刀|如何? という工夫であった。 宗厳は、以来数年間、
無刀の理法を考....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
らしているようで、どうしてあの時代の一かどの剣人といえよう。柳生流でも、極意は「
無刀」といっているのだ。そして、また武蔵も、五輪書の最奥の一行には、こういってむ....
「柳生月影抄」より 著者:吉川英治
臨機でございましょう。諸流百派、剣は皆一道と心得ますが」 「が、柳生流の極意は、
無刀だということを、そちももう悟っておろうが。――
無刀とは、泰平の体。泰平の策は....