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無名氏
「無名氏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無名氏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
を見出した。 十二 好奇心に駆《か》られた敬太郎《けいたろう》は破るようにこの
無名氏の書信を披《ひら》いて見た。すると西洋罫紙《せいようけいし》の第一行目に、....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
主人は重たそうに口を開く。「文章? 誰《だ》れの文章だい」「誰れのか分らんよ」「
無名氏か、
無名氏の作にも随分善いのがあるからなかなか馬鹿に出来ない。全体どこにあ....
「手紙」より 著者:夏目漱石
在ちゅうの女客《おんなきゃく》にあてたなまめかしい男の文《ふみ》だから、双方とも
無名氏の文字それ自身が興味の眼目である。自分の経験もやはりふとした場所で意外な手....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
ずることを免れなかったかも知れぬが、あるいはまた彼の多紀|※庭の手に出でたという
無名氏の『漢蘭酒話』、平野革谿の『一夕医話』等と趣を殊にした、真面目な漢蘭医法比....
「『土』に就て」より 著者:夏目漱石
頓着《とんじゃく》しない、門外漢と一般である。文士ならば同業の人に対して、たとい
無名氏にせよ、今少しの同情と尊敬があって然るべきだと思う。余は「土」の作者が病気....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
するという微妙な点もあったのであろう。 赤人の此処の長歌も簡潔で旨く、その次の
無名氏(高橋|連虫麿か)の長歌よりも旨い。また此反歌は古来人口に膾炙し、叙景歌の....
「ベルリン大学」より 著者:寺田寅彦
った。見知らぬ令夫人を卓に導く役を云い付かって当惑した。その席でペンクは、本日某
無名氏よりシャックルトン氏の探険費として何万マルクとかの寄附があったと吹聴した。....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
て見せてもらいましょう。さア、どうぞ。名なしの誰かさん」 こうよびかけられて、
無名氏はふりむいた。そして魔人の如くにシッカリと歩いた。そのふるさとへ戻るように....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
は十一月の下旬なり。 十 絶縁の書 ここにて朝鮮行の出船を待つほどに、ある日
無名氏より「荷物|濡《ぬ》れた東に帰れ」との電報あり。もし渡韓の際政府の注目|甚....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
枝八郎……」 しかし巡査にとると、いまの男が左枝八郎であるということは、むしろ
無名氏で置くよりも、いっそう不可解なことだった。 「だが、どうにもそれは信じられ....
「「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
又翌月号の本誌にその画を通じて、実氏の芸風と奏風氏の筆致をテニスに寄せて皮肉った
無名氏の漫画……それから引き続いて新春号に奏風氏が書いた、これに対する感想文の「....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
たのだ。ねがわくば僕のなめたような苦しみを、君もなめずに済みますように……と、『
無名氏の話』の主人公は言う。この言葉はチェーホフの手紙についても、有力な自註の役....
「華やかな罪過」より 著者:平林初之輔
「ところで、連中ののほかにもう一つ花環が来てたらおごる価値があるでしょう。しかも
無名氏って言うんですからね、五時頃花屋から届けてきたんだそうです、名刺も何もつけ....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
一尺五寸に切り、前三本の竹を下より一尺ぐらいの所を結ぶ、云云」とあり。また、ある
無名氏よりの報知によるに、「大阪辺りにて用うるものは、竹の長さ各一尺五寸にて、左....
「妻」より 著者:神西清
、あなたがこの仕事に参加なさる途はありませんわ。」 私は申込書を手にとって、『
無名氏、五〇〇〇』と書きこんだ。 この『
無名氏』というのには、なんだか良くない....