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「無妻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無妻の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
上高地風景保護論」より 著者:小島烏水
、独逸の山岳会員で、二十年間登山をしているのだそうで、四十三歳になるが、いまだに無妻でいると言っている、何でも財産を山に使い果すつもりだそうで、槍ヶ岳に登って下....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
賢女と言い囃されていた忠通の奥方は、それから間もなくにわかに死んだ。忠通もその後無妻であったので、美しいが上にさかしい藻は主人《あるじ》の卿の寵愛を一身にあつめ....
二人の友」より 著者:森鴎外
四年目に小倉の土地を離れたのである。 ―――――――――――― 私は無妻で小倉へ往って、妻を連れて東京へ帰った。しかし私に附いて来た人は妻ばかりでは....
百物語」より 著者:森鴎外
う心易く附き合った爺いさんの学者があった。その人は不治の病を持っているので、生涯無妻で暮した人である。その位だから舞踏なんぞをしたことはない。或る時舞踏の話が出....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
鎖を下げた乞食……三年も湯に入らぬ富豪……家の無い自動車持ち……妾の四五人も居る無妻主義者……愛国的の名目を持つ亡国運動者……社会主義的団体名を振りまわす成り金....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
貞固は妻かなが歿した後、稲葉氏から来た養子|房之助と二人で、鰥暮しをしていたが、無妻で留守居を勤めることは出来ぬと説くものが多いので、貞固の心がやや動いた。この....
十二支考」より 著者:南方熊楠
あり。人能く一切の所有物を棄て始めて手に入れ得、故にこの石を使う者は孤寒素貧かつ無妻という(一九一四年版チャプリカの『西伯利原住人《アボリジナル・サイベリア》』....
十二支考」より 著者:南方熊楠
れてからが縁の下の舞いと気が付いたところへ、折よく右のアントニウスの伝を読んで、無妻で通した聖人も人間並みに暮した靴屋も功徳に異《かわ》りがないと知って、なるほ....
独身」より 著者:森鴎外
いれば、僕は黙って饂飩で酒なんぞは飲まないのだが。」 これが口火になって、有妻無妻という議論が燃え上がった。この部屋で此等の人の口からこの議論が出たのは、決し....
明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
あった。野沢屋の店が、この親子三人――彼女は祖母で、娘は未亡人となり、主人はまだ無妻であった――のために月々仕払う生活費は一万円であったということである。無論た....
冬の王」より 著者:森鴎外
。「あれが友達です。ホオルンベエクと云う隣村の牧師です。やはりわたしと同じように無妻で暮しています。それから余り附合をしないことも同様です。年越の晩には、極まっ....
地上」より 著者:島田清次郎
六の壮年の知識階級の男がはいって来た。この男は市街で唯一の万年筆の問屋の主人で、無妻であった。このグループの機関雑誌『底潮』の経済的方面はこの男が負担しているだ....
新案探偵法」より 著者:小酒井不木
友人たちが何故かといってきいても、彼は決してその理由を説明しませんでした。総じて無妻主義というものは、思想上から起るのは稀であって、多くは生理的の欠陥とか、経済....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
町将軍の御師範だった関係で、弟子の数も、まず天下第一だろう。しかも清十郎様はまだ無妻だし、どう転んだって、行く末わるい話ではないぞ」 「私は、いいと思いますが」....