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「無実〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無実の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
違って、この時代には斯《こ》ういう威嚇が案外に有効であったのである。たとい自分の無実が証明されるとしても、こんな女のかかり合いで奉行所の審問《しんもん》を受けた....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ので、式部は思うがままに二百両の金をつかんで帰った。久次郎が母に責められて、その無実を明らかに証明し得なかったのも、やはりその内心に疚しいところがあったからであ....
義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
。 おきん (憤然として)何ぬかしゃがるんじゃ。皆よってたかって、阿呆をおだて、無実の罪に落して、親兄弟まで、こなな目にあわしておきながら、何ぬかしゃがるんだ。....
自叙伝」より 著者:大杉栄
与茂七火事というのは、その幾十年か前にも一度あったんだそうだ。与茂七というのが無実の罪でひどい拷問にあって殺されてしまった。そのたたりなんだそうだ。そして現に....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ます。」と、早々にその景品を片付けてしまうので、折角いい籤をひき当てても結局有名無実に終ることが多い。それを見越して、たくさんの景品のうちにはいかさま物もならべ....
火星兵団」より 著者:海野十三
ないのです」 新田先生は、その問題のため、全く熱中していたのである。千二少年が無実の罪におちているのを早く助け出したいと思っていた先生であるが、博士からモロー....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
をつかんでいるので、嫌疑者は尼の徳操を汚したものと認められていた。かれらは泣いて無実を訴えたが、ひとまず裁判所へ送られてしまった。しかしかれらの申し立てた事実が....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
家はその支藩の名の下にこの土地に封ぜられた。その八重垣姫には落度があった。それが無実であるかどうかは分らぬが、密通の重罪を負わされ、まる裸にさせられて馬の背にか....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
厳然たる姿勢をとる)御機嫌よろしく、お父さん! 綾麻呂 臣、石ノ上ノ綾麻呂、今、無実無根の讒言を蒙って、平安の都を退下し、国司となって東国に左遷されんとす。……....
「草紙洗」を描いて」より 著者:上村松園
と称して、かねて歌集の中へ小町の歌を書きこんでおき、証拠はこの通りといったので、無実のぬれ衣を被た小町は、その歌集を洗って、新たに書きこんだ歌を洗いおとし黒主の....
明治時代の湯屋」より 著者:岡本綺堂
には、その被害者に対して営業者が弁償の責を負うと云う事になったが、それも殆ど有名無実で、所詮は被害者の泣寝入りに終った。それでも湯屋へ美服を着てゆくのは止まなか....
黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
だと彼女は思った。しかし自分がそんな空怖しい役目を引受けて、何の恨もない若旦那に無実の云い懸けをするなどとは、飛んでも無いことだと彼女は又思った。 「切角ではご....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
目がいかにも寂しいように感じられる虞れがある。それを救うがために、捨役という有名無実のものを作り設けて、一人がいつでも三役か四役かを勤めるように見せかけたのが始....
審判」より 著者:カフカフランツ
が、おそらくは――これは判事の言われたことからして否定できませんが――私と同様に無実な画家の誰かを逮捕せよ、という命令を受けたらしいのですが、この私が選ばれたの....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
とが裏返ったり、矛盾したりし始めた。翌日、チノコは、バアリイに手紙を書いて自分の無実を訴えた。「エセックス伯爵の訊問があんまり狡猾なので、すっかり面くらい、頭が....