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無実の
「無実の〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無実のの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「草紙洗」を描いて」より 著者:上村松園
と称して、かねて歌集の中へ小町の歌を書きこんでおき、証拠はこの通りといったので、
無実のぬれ衣を被た小町は、その歌集を洗って、新たに書きこんだ歌を洗いおとし黒主の....
「火星兵団」より 著者:海野十三
ないのです」
新田先生は、その問題のため、全く熱中していたのである。千二少年が
無実の罪におちているのを早く助け出したいと思っていた先生であるが、博士からモロー....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
与茂七火事というのは、その幾十年か前にも一度あったんだそうだ。与茂七というのが
無実の罪でひどい拷問にあって殺されてしまった。そのたたりなんだそうだ。そして現に....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
だと彼女は思った。しかし自分がそんな空怖しい役目を引受けて、何の恨もない若旦那に
無実の云い懸けをするなどとは、飛んでも無いことだと彼女は又思った。 「切角ではご....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
目がいかにも寂しいように感じられる虞れがある。それを救うがために、捨役という有名
無実のものを作り設けて、一人がいつでも三役か四役かを勤めるように見せかけたのが始....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
(凜たる声)大納言、大伴ノ宿禰御行! 綾麻呂 巧みなる贈賄行為で人々を手馴ずけ、
無実の中傷で蔵人所の官を奪い、あまつさえその復讐をおそれて、臣、石ノ上を東国の果....
「審判」より 著者:カフカフランツ
も従えております。そして、諸君、この大きな組織の意味はなんでしょうか? それは、
無実の人々が逮捕され、彼らに対して無意味な、そしてたいていは私の場合のように得る....
「義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
。 おきん (憤然として)何ぬかしゃがるんじゃ。皆よってたかって、阿呆をおだて、
無実の罪に落して、親兄弟まで、こなな目にあわしておきながら、何ぬかしゃがるんだ。....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
く牢を脱け出だして松谷秀子と生まれ代わり今は又養父殺しの罪に捕わる、業か因果か、
無実の罪か抑《そもそ》も又|覿面《てきめん》の天罰か。
余と権田とは再び眼を見....
「殺人迷路」より 著者:甲賀三郎
信半疑だった。もし、真弓の云う通りなら、星田は飽くまで星田で、恐ろしい悪漢の為に
無実の罪に落されようとしているのだ! 「そんな馬鹿な」 津村が茫然と考え込んで....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
をどうして育てよう。それよりも近々公判に廻る夫の身をどうして救けよう。夫は呉々も
無実の罪と云っている。神楽坂署で立派に白状した時の様子は嘘らしく思えなかったが、....
「死刑の前」より 著者:幸徳秋水
に刑死した者が数万人におよんでいるではないか。もしそれ、中国にいたっては、冤枉(
無実の罪)の死刑は、ほとんどその五千年の歴史の特色の第一ともいってよいのである。....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
を他に転嫁し自制を失うことができるなら、という気持も必ずあるものだ。それには親に
無実の罪を疑られ、そのことで口論してヤケを起して飛びだすような時が最上の機会であ....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
釈もできるけれども、そういう仮定が慎しむべきであることは云うまでもなく、第一審に
無実の主張やその証拠となるべき供述が行われなかったのはナゼであるか、徹底的に追求....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
たことにさせたのです。そして、殺してしまった。しかし全然ムホンは実在しないから、
無実の一味の者を本当に殺すわけにゆかない。新しいタタリも怖しかったでしょう。それ....