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無常
「無常〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無常の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
な音のするのは、竹の葉をすべる露であろう。
「生死事大《しょうじじだい》。」
「
無常迅速。」
「生き顔より、死に顔のほうがよいようじゃな。」
「どうやら、前より....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
稽本《こっけいぼん》の中で、「神祇《しんぎ》、釈教《しゃっきょう》、恋《こい》、
無常《むじょう》、みないりごみの浮世風呂《うきよぶろ》」といった光景は、今もその....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ず生滅遷流《せいめつせんりゅう》して、刹那も住《じゅう》すと申す事はない。されば
無常経《むじょうきょう》にも『|未曾有一事不被
無常呑《いまだかつていちじのむじょ....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
徳にちがいない。もの云う度に、顋《あご》をしゃくる癖も、昔の通りだ。――僕は実際
無常を感じてしまったね。あれでも君、元は志村《しむら》の岡惚《おかぼ》れだったん....
「或る女」より 著者:有島武郎
葉子は美しい不思議な幻影でも見るように、電気灯の緑の光の中に立つ二人の姿を、
無常を見ぬいた隠者《いんじゃ》のような心になって打ちながめた。
四五
この....
「星座」より 著者:有島武郎
親しさで暮してきたこの男たちとも別れねばならぬ四辻に立つようになった……その淡い
無常を感じて、机からぬっくと立ち上りながら西山は高笑いを収めた。そして大きな欠伸....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
頁)と及び水を容るべき測り難い空間を安置した。かくして、永遠の世界から生れたこの
無常の世界が創造されたのである。』なお主なる彼はこの外にたくさんの神々と精霊と時....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
えの軽やかさ、さてはありふれた材料を用いて一見いかにも無頓着らしいところにも世の
無常が感ぜられる。常住は、ただこの単純な四囲の事物の中に宿されていて風流の微光で....
「食魔」より 著者:岡本かの子
疽の顔は、ずった偶然によって却って意味を深めたように思えた。人生の不如意を、諸行
無常を眺めやる人間の顔として、なんで、この上、一点の描き足しを附け加える必要があ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
。口許なども凛として、世辞を一つ言うようには思われぬが、唯何んとなく賢げに、恋も
無常も知り抜いた風に見える。身体つきにも顔つきにも、情が滴ると言った状じゃ。 ....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
善が尽く灰となって了った無残な光景を見ると、今更のように何とも云い知れない一種の
無常を感じた。 猶だ工事中の新築の角を折れて、仮に新築の一部に設けた受附へ行く....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
女の姿|立顕る。一は少紳士、一は貴夫人、容姿美しく輝くばかり。 二の烏 恋も風、
無常も風、情も露、生命も露、別るるも薄、招くも薄、泣くも虫、歌うも虫、跡は野原だ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
へばたばたと駈上り、御注進と云う処を、鎧が縞の半纏で、草摺短な格子の前掛、ものが
無常だけに、ト手は飜さず、すなわち尋常に黒繻子の襟を合わせて、火鉢の向うへ中腰で....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
の塩竈が両提の煙草入と一所にぶらぶら、皀莢の実で風に驚く……端銭もない、お葬式で
無常は感じる、ここが隅田で、小夜時雨、浅草寺の鐘の声だと、身投げをすべき処だけれ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
「あの時分は蝙蝠も沢山いたでしょう。」 僕「今は雀さえ飛んでいませんよ。僕は実際
無常を感じてね。……それでも一度行ってごらんなさい。まだずん/\変ろうとしている....