無役[語句情報] » 無役

「無役〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無役の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
って来た。 お時もおどろいた。 外記は今まで番士を勤めていたが、去年の暮れに無役《むやく》の小普請《こぶしん》入りを仰せつかったというのであった。尤《もっと....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
道をおのが屋敷の本所長割下水に引揚げて行きました。 三 屋敷は、無役《むやく》なりとも表高千二百石の大身ですから、無論のことに一丁四方を越えた大....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
へかくれさせて下せえまし」 「いや、匿まうにしたとて、そう急《せ》くには及ばぬ。無役ながらも千二百石を賜わる天下お直参のわが屋敷じゃ、踏ん込んで参るにしても、そ....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
るのは言う迄もないことなので、あたかも当日はお誂え向の将軍|日和《びより》――。無役なりとも歴歴の旗本である以上、勿論退屈男にもその御沙汰書がありましたものでし....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
相談した。旗本に限らず、御家人に限らず、江戸の侍の次三男などというものは、概して無役の閑人であった。長男は無論その家を嗣ぐべく生まれたのであるが、次男三男に生ま....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
の丹下という人は今年三十七の御奉公盛りですが、病気の届け出でをして五六年まえから無役の小普請入りをしてしまいました。学問もある人で、若い時には聖堂の吟味に甲科で....
アンゴウ」より 著者:坂口安吾
を殺すことは容易であるに相違ない。タカ子の顔から真実を見破ろうとする自分の努力が無役なのだと矢島はさとらざるを得なかった。 然し、まだ方法は残っていた。こゝま....
インテリの感傷」より 著者:坂口安吾
改良を第一とし、必然的に人員整理を伴うべきものである。転換すべき時にお茶を濁し、無役な人員をかゝえて、人員のために無用な役務をでっちあげて失業者なきことを是専一....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
いたが、持って生れたバカの性根は仕方がない。余計なことを言わなければよいものを、無役に人を嘆かせるばかりのものを」 「いいえ。私がそれを知りましたのは主人からで....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
とか借金取りとか、どうせロクでもないものに限っているから、表札なぞというものほど無役有害なものはないのである。 方角は駒子からきいてきたのだが、どうして、どう....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
るにしても、実役にたつことをやるがいいや。こういう役にも立たぬ律儀が万事につけて無役な悲劇を生むものだ。私もそれをやります、と虎の顔にも書いてあるぜ。血相かえて....
西瓜」より 著者:岡本綺堂
ころに住んでいる小原数馬という旗本屋敷から受取ったものである。小原は小普請入りの無役といい、屋敷の構えも広いので、裏のあき地一円を畑にしていろいろの野菜を作って....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
慮はいらぬ褒美を望め!」破格をもって家斉公は直々言葉を掛けたものである。 「私、無役にござりまする。軽い役目に仰せ付けられ、上様おため粉骨砕身、お役を勤むる事出....
」より 著者:岡本綺堂
次郎はことし二十歳であるが、父の弥太郎が立派にお役を勤めているので、彼は今もまだ無役の部屋|住みである。しかも又次郎にかぎらず、たとい部屋住みでも十五歳以上の者....
土の中からの話」より 著者:坂口安吾
うで、平安朝の昔、大伴今人という国守が山を穿って大渠をひらいたとき、百姓はこれを無役無謀な工事だといって嗷々と批難したが、工事を終りその甚大な利益を見るに及んで....