無愛嬌[語句情報] » 無愛嬌

「無愛嬌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無愛嬌の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
って云うだろう」 須永はこう答えて澄ましていた。敬太郎は仕方なしに「江戸っ子は無愛嬌《ぶあいきょう》なものだね」と云って笑い出した。須永も突然おかしくなったと....
坑夫」より 著者:夏目漱石
んだった。それが分ってからはさほどにも思わなかったが、この時は何だ顔に似合わない無愛嬌《ぶあいきょう》な奴だなと思った。しかしその丸い顔を半分|傾《かたぶ》けて....
行人」より 著者:夏目漱石
ろを見たとも云った。三沢はそういう話に興味があるでもなく、また無いでもないような無愛嬌《ぶあいきょう》な顔をして、ただ「ふん」とか「うん」とか答えていた。 彼....
道草」より 著者:夏目漱石
から一、二時間経っていた。 「ただ今」 遅くなりましたとも何ともいわない彼女の無愛嬌《ぶあいきょう》が、彼には気に入らなかった。彼はちょっと振り向いただけで口....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
そうにでもしている事か、乗る権利もない布団の上に、傲然《ごうぜん》と構えて、丸い無愛嬌《ぶあいきょう》な眼をぱちつかせて、御前は誰だいと云わぬばかりに鈴木君の顔....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いでよ」 それを機《しお》に半七は逃げ支度にかかった。相手が相手だけに、まさか無愛嬌に別れるわけにも行かないので、半七は紙入れから二朱銀を出して、紙にくるんで....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
すなわち、そこの娘も、年は十六だが、叔母に似た性質で、――客の前へ出ては内気で、無愛嬌だが、――とんまな両親のしていることがもどかしくッて、もどかしくッてたまら....
忘れえぬ人々」より 著者:国木田独歩
まだ寒うございます。』 という主人の言葉はあいそがあっても一体の風つきはきわめて無愛嬌である。年は六十ばかり、肥満った体躯の上に綿の多い半纒を着ているので肩から....
源氏物語」より 著者:紫式部
うのには、これは世間でいう魔が姫君に憑いているのですよ」 歯の落ちこぼれた女が無愛嬌な表情でこう言いもする。 「魔ですって、まあいやな、そんなものにどうして憑....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
す。 同じ血を分けた子供に対してさえそうなのですからまして多くの使用人の中には無愛嬌で触りのわるい者もあれば、働きの割に結果の上がらないような損な生れの者もあ....
西航日録」より 著者:井上円了
し。まず、アイルランド人の風俗、人情の異なる点を指摘すれば、英人は初面接の人には無愛嬌にして、親しみ難き風あるも、アイルランド人は親しみやすき傾きあり。しかして....