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無援
「無援〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無援の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「卑怯者」より 著者:有島武郎
い液体が流れ拡《ひろ》がった。
こうなると彼の心持ちはまた変わっていた。子供の
無援《むえん》な立場を憐《あわれ》んでやる心もいつの間にか消え失せて、牛乳瓶がが....
「みちのく」より 著者:岡本かの子
ね」 「そうよ」 「ふーむ」 白痴の心にもお蘭が自分から失われ、自分は全く孤立
無援《こりつむえん》で世の中に立つ侘《わび》しさがひしひしと感じられた。現われて....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
いう噂が伝わった。婿の代になって崖の上からの研究費は断たれたので、復一は全く孤立
無援の研究家となった。 宗十郎は死んで一人か二人しか弟子のない荻江節教授の道路....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
此の頃になると、関東方面に散在して居る諸城は、相次いで陥落し、小田原城は愈々孤立
無援の状態にある。 六月二十二日には、関東の強鎮八王寺城が上杉景勝、前田利家の....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
は。これは水耳と申します。木耳にしなければなりますまい。六|親を失い財帛不足孤苦
無援の木耳にね」 ジョキジョキ不気味の音がした。肉を削いでいるらしい。 とま....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
朝にして恩愛の絆は断たれ、僅に能勢弁護士、木藤大尉の厚き同情があるとは云え、孤立
無援、天涯孤客となった。而も自分は捕われの身である。彼は生きながらの呪いの魔とな....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
からん奴だ」 彼は、爆発点に達しようとする憤懣をおさえるのに、骨を折った、孤立
無援の彼は……。 列車旅行は、ますます不愉快さを高めていった。列車が、駅へつく....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
と云いながら、こう語ったということだ。「世界各国は日本に対し反目し日本は全く孤立
無援の状態である、……予算も国民の所得に応じて作らねばやがて国力は疲弊し、国民は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
先に言うが如く、道庵が空虚を感じながら、ここを動けない理由の一つとしては、孤立
無援で、味方のない敵地へ乗込むということの危険を予想したからである。ところが、山....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
もなく討入の怨みもあるし、今般これらも松山征討の命を受けた。そこで我藩は完く孤立
無援の地に立ったので、このまま防戦しても遂には落城して、君臣共に討死するというこ....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
クリーニング氏は夫人方の親戚へ住みこんでそッちの家業を手伝っておるから日常は孤立
無援で、おまけに嫌っているのは確かに夫人の方だから、まア聟が追んだされると同じよ....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
な代議士のためにルパンは不知の境に徘徊させられているのだ。あわれ夫人、彼女は孤立
無援、しかも恐るべき悪魔の手に陥ってしまったのだ。 常勝将軍をもって誇る彼アル....
「ニッポン音楽」より 著者:兼常清佐
ていいものでしょうか。今保護者が沢山いる三味線を更に保護する事と、この哀れな孤立
無援の民謡を保存することと、どちらがもっと愛国的な仕事でしょうか。ニッポンの音楽....
「城」より 著者:カフカフランツ
にいかないのです。そして、陳情人はなるほどほかのどんな人間もありえないほどの孤立
無援の状態のなかでそんな機会のうちにはまりこんだのではあるが、今やその気になりさ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
の状態にあるという点に、すでに認められるのだった。これはもちろん、被告を眠らせて
無援の状態にしておき、次に突然決定を被告に突きつけるか、あるいは少なくとも被告の....