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「無政府状態〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無政府状態の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜の靴」より 著者:横光利一
見当がつかぬからだ。現に預金帳の握り潰しで半年以上も苦しめられた直後である。その無政府状態の真っただ中へ、見も知らぬ人の荷物として投げ出すこれら私の荷の行衛につ....
科学論」より 著者:戸坂潤
いうわけである。 無論、夫々の社会科学の立場の分裂・対立と言っても、実は全くの無政府状態なのではない。吾々はこの様々に異った立場をば適当に類別し系統づけ、それ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
話題を進めて行こうとするなら――。』 ちょうどこの時、急に車内に、叫喚と呶号の無政府状態が始まった。車輪の下に鉄橋が横たわり出したのだ。 彼女は、眉を下げた....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
《きんだち》と兵馬とは、親しくその光景を見て、動物の有する相互扶助と、それから、無政府状態にして一糸乱れざる統制ぶりに、まず感心させられました。感心して後、彼等....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
てきたのだ。現時の、不道徳の跳梁《ちょうりょう》、快楽の追求、懦弱《だじゃく》、無政府状態、などを僕は少しも恐れない。忍耐だ! 持続せんと欲する者は堪え忍ばなけ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
っている、俺はそれを知っている……。 芸術界は政治界と同じく、昔ながらの偏狭な無政府状態だった。広場の上には同じ市《いち》が立っていた。ただ役者がその役目を変....
波多野邸」より 著者:豊島与志雄
、外に出たらしい。その酒場がどうやら、波多野洋介が経営してる店らしい。あのような無政府状態の店は、改良する必要がある……。 ただそれだけの、甚だ曖昧なそして簡....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
秩序というものを組みたてても、ひとたび我々の直面した敗戦焼跡の如きものがあって、無政府状態が訪れた際には、歴史は逆転して同じフリダシへ戻ってしもう。曰く、暗黒時....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
いきなり、私の頬にくっつけて火傷をさせた。 そうした事は幾らもあり子供の社会は無政府状態だ。家庭と社会とはハッキリ違っていた。子供たちは各々何かによって自分の....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
食い詰めものの集団で、余り評判はよくないということであった。 ですから、何事も無政府状態で、市民一般財産生命の危険|夥しく、師匠の家の近辺なども、官軍であるか....
運命のSOS」より 著者:牧逸馬
奇抜な男があった。普段から仕様のない呑んべえだったが、愈いよ沈むと判った時、既う無政府状態に開放された一等船客の酒場《バー》へ這入り込んで悠々と腰を据え、一期の....
三国志」より 著者:吉川英治
、それを駄馬や車輛に積んでは、そばからそばから長安へ向けて輸送した。 洛陽は、無政府状態となった。 官紀も、警察制度もすべての秩序も一日のまに喪失して、市街....
三国志」より 著者:吉川英治
私権を張り、人民はいつまで戦禍の苦しみから救われず、秩序は乱れるばかりで、遂には無政府状態におち入り、当然、漢朝の天下も亡びるに至ることを憂えたからにほかならな....
私本太平記」より 著者:吉川英治
設けたものであったからである。けれど北条氏百数十年らいの六波羅政庁の陥落は、即、無政府状態を発生していたことなので、 「奉行所ができた」 と知っただけでも、一....