無根[語句情報] »
無根
「無根〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無根の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
若し秀子が逃亡すれば貴方が幇助した者と認めますよ」
余「私は飽くまで其の嫌疑の
無根な事を信じますもの、何で逃亡を勧めますものか、又秀子とても其の身の潔白さえ恃....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いので、その同心の或る者から白い蝶の秘密を洩れ聞いたらしい。してみると、まんざら
無根の流言《りゅうげん》とも云えないのであるが、伝兵衛は飽くまでもそれを否認して....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
であるから、絶対に雇用するなかれという意味の通告を各社に向って送付している。この
無根の報道によって前記三名がその将来においてこうむる社会的不利益はおそらく我々の....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
くだに恐ろしき罪名の下に拘禁されて居りますものゝ、神楽坂署にて申立ての事柄は事実
無根にて、被告の犯し居ります罪に非ざれば、真の申立を為す能わず、就いては被告は前....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ちの上に集まる。しかし、その人の傷ついたあとになって見ると、一方には世間の誤解や
無根の流言がこの悲劇を生む因であったと言って、こんなに思い詰めた壮士らの暴挙を惜....
「鉄面皮」より 著者:太宰治
意気のあがらぬ返事であった。何かの間違い、と思ったが、また考え直してみると、事実
無根というわけでもない。私はからだが悪くて丙の部類なのだが、班の人数が少なかった....
「連環記」より 著者:幸田露伴
り、公事は勤め果したということである。 此の物語は疑わしいかどもあるが、まるで
無根のことでも無かろうか。何にせよ随分突飛な談ではある。しかし大に歪められた談に....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
ように思われる。高坐の上でそういう形式の自己宣伝を試みるのは穏当でないが、栄次も
無根のことを口走ったのでは無い。実際その当時の戯作者や狂言作者が寄席の高坐から種....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
かけぬほどの豪の者さ」 と、意外な大讃辞を呈して、一息。 「癩病とあるのは事実
無根の作りごとだ。業病の汚名に甘んじても隠さねばならぬ大きな秘密があったのだ。言....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
負う力は限りを知らず、と伝えられている。 逮捕されて取調べられたオタツは、事実
無根を言い張ったが、ナガレ目が彼女に不利な証言をしたことを知ると、顔がカッと真ッ....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
たる姿勢をとる)御機嫌よろしく、お父さん! 綾麻呂 臣、石ノ上ノ綾麻呂、今、無実
無根の讒言を蒙って、平安の都を退下し、国司となって東国に左遷されんとす。………文....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
っぽな抽象概念にすぎず、それに対して彼の心が完全な不燃焼物であったことは、決して
無根の想像ではないわけだ。のみならず、そんな空疏な概念に向っては、憧憬だって動こ....
「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
れども、さらに感ぜざりき。これらの試験によれば、狐狸の類が憑付せりとの説は、全く
無根の妄想なること明らかなり。 つぎに予は、かの口笛のごとき怪声がいずれの所よ....
「迷信解」より 著者:井上円了
実際いかなる怪談にも、十中七八分は余のいわゆる虚怪が加わりておる。あるいは、全く
無根のことを小説的に作りたるもあり、また、針小のことを棒大に言い触らしたるもあり....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
すあとから、あるいは――とまた疑う心が頭を持ち上げて来る。 半信半疑だが、全然
無根だとも思えない、それが小夜子の心を憂鬱にさせる。なるほど達也は腺病質で弱い、....