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「無機物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無機物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
映画時代」より 著者:寺田寅彦
い時間を持ち越す見込みがないように思われるから、やはり結局は完全に風化に堪えうる無機物質ばかりでできあがった原板に転写した上で適当な場所に保存するほかはないであ....
日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
にあろうか。 まことに火山ぐらい、神経の尖《とが》って、感受性の鋭敏なものは、無機物|殊《こと》に固体の中では、見出されまいかとおもう、たとえば物に感触しやす....
アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
の混乱した空想のなかでこの考えはさらに大胆な性質のものとなり、ある条件のもとでは無機物界にまで及んでいた。私は彼の信念の全部、あるいはその熱心な心酔を説明する言....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ころに散在する百姓家などは、山が人に与える生命の感じにくらべれば、惨めな幾個かの無機物に過ぎない。 昼は真冬からは著しく延びてはいるけれども、もう夕暮れの色は....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
かける場合は絶無だ。私には下等動物といわれるものに通有な性質が残っているように、無機物の生活さえが膠着していると見える。それは人の生活が最も緩慢となるところには....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
す。現に体質液学派は、生理現象を熱力学の範囲に導入しようとしています。ですから、無機物にすぎない算哲博士に不思議な力を与えたり、人形に遠感的な性能を想像させるよ....
破片」より 著者:寺田寅彦
からない。 この銀杏でもプラタヌスでも、やはり一種の生物であってみれば、ただの無機物のようにそうそう簡単でないのはむしろ当然のことであろう。 それはとにかく....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
地位の厳粛なることを痛感せずにはいられない。知識の拡張は同時に自由の拡張である。無機物より有機物に進んで、人間に至るに従い、意志はしだいに明瞭に、認識は階段をな....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
えるだろうか」 「生物に似ているではありませんか。また別のことを取上げましょう。無機物の集合体であるところの電波発振器は、空間へ電波を発射します。これは人体にお....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
校は自然に閉鎖された。 独逸では、スプリイ河と魚類の意識が凍って、浮浪人はその無機物化した魚を発掘して来ては湯桶に放して蘇生させて売っていた。伯林ではすべての....
ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
ドを、生命力は強いにしても、どこか地獄の鬼のようなところばかりではなく、何となく無機物らしいところのあるものと、考えた。その地獄の粘土が叫んだり声を立てたりする....
生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
れはそれで如来であります。それではじめて赤ん坊の生活、虫けらの生活が理解できる。無機物と有機物の関係が、程度の差別にすぎなくてもそれでいいんだということがわかっ....
人工心臓」より 著者:小酒井不木
。 …………人工アメーバと、人工心臓とは、共にアメーバなり、心臓なりの運動を、無機物を使って模倣し、生物の運動なるものは、決して特殊な、いわば神変不可思議なも....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
れ、遂には絶対の権威を以て圧倒されてしまう。この時、機械や機関は決して生命のない無機物ではない。現代の文明によって生まれた機械は現代人に血と肉とを与えると共に、....
呪咀」より 著者:土谷麓
どうして此の肉と心とのさかいを解易く区別出来よう。 いいや一切の 地の上の生物、無機物、有機物あらゆる組合わされたもののかみあいが 面白く切なげに展開するのは ....