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無気力
「無気力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無気力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
―、沢山《たんと》の儲《もうけ》がねえだ」と、鼻の先で笑っている。彼等の顔は全く
無気力と自暴自棄との色に曇っているのだ。そのくせ、欲はなかなか深い。一寸《ちょっ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
々にすすむ東亜の盟主、日本のあなたはとうてい分りますまい。いや、あなたは亡国者の
無気力の夢と嗤《わら》うでしょう」
見ると、ケルミッシュの双頬が二筋三筋濡れて....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
てこつこつと浄瑠璃の文句を写しているだけが能の、古ぼけた障子のようにひっそりした
無気力な男だった。女房はまるで縫物をするために生れて来たような女で、いつ見ても薄....
「蠅」より 著者:海野十三
第六話 雨の日の蠅 (妻が失踪してから、もう七日になる) 彼は相変らず
無気力な瞳を壁の方に向けて、待つべからざるものを待っていた。腹は減ったというより....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
のうちで、一番怪奇であって絢爛、妖艶であって勇壮な大舞踊となる。今夜のジュリアの
無気力では、その辺で一と溜りもなく舞台の上に崩れ坐るかと思われたが、なんという意....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
たから、今日はこうして、ぶらぶらやっているわけけだ。理屈もなんにも考えない」 「
無気力な奴だ。無性者だ。お前はたしかに長生するだろうよ。全くあきれて物がいえない....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
むることがないではない。之を要するに日曜日は、心身の安逸と、過度の飲食から来る、
無気力無感覚とが伴い勝ちであるから、心霊実験には、あまり面白いとは言われないので....
「雨」より 著者:織田作之助
てこつこつと浄瑠璃の文句を写しているだけが能の、古ぼけた障子のようにひっそりした
無気力な男だった。女房はまるで縫物をするために生れてきたような女で、いつ見ても薄....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになつてしまつていた国民全体の文化的
無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。 このことは、過去の日....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
性の追究としては、最も飛躍していた。ところが、顧みて日本の文壇を考えると、今なお
無気力なオルソドックスが最高権威を持っていて、老大家は旧式の定跡から一歩も出ず、....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
阪の土を踏んだ。時に明治十五年であった。 すぐに道修町の薬種問屋へ雇われたが、
無気力な奉公づとめに嫌気がさして、当時大阪で羽振りを利かしていた政商五代友厚の弘....
「神経」より 著者:織田作之助
六間折れると、もうそこは宮川町の路地で、赤いハンドバッグをかかえた妓がペタペタと
無気力な草履の音を立てて青楼の中へはいって行くのを見た途端、私はよほど引き返そう....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
うのか。決してそうではない。斯う云う粗雑な虚偽は、アルコオルと同じように、民衆を
無気力にする催眠剤である。麻酔剤である。吾々が芸術に持たせたいと思う娯楽の力は、....
「大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
すます美しく、はなやかになり、おまけに生き生きと若返った。古障子の破れ穴のように
無気力だった京都は、新しく障子紙を貼り替えたのだ。かつての旦那だった大阪は、京都....
「春」より 著者:岡本かの子
を避らしてしまった。京子はもう疲れ切り、眼星の幻像にこだわるのも倦いて、すっかり
無気力に成り果てたようだ。黒眼鏡もいつか外して居る。 一組の男女が応接間へ入っ....