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「無沙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無沙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
びなかった。病児は病児で私を暫くも手放そうとはしなかった。お前達の母上からは私の無沙汰を責めて来た。私は遂《つい》に倒れた。病児と枕を並べて、今まで経験した事の....
「星座」より 著者:有島武郎
にしたいのは私も同じことじゃありますが、計算までここでやってるんじゃ、私は手持｜無沙汰《ぶさた》で、まどろっこしくって困りますよ」 計算だって研究の一つだい。....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
のかしらなど考える。百里遠来同好の友を訪ねて、早く退屈を感じたる予は、余りの手持無沙汰に、袂《たもと》を探って好きもせぬ巻煙草に火をつけた。菓子か何か持って出て....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
六 「さて、どうも更《あらたま》りましては、何んとも申訳《もうしわけ》のない御無沙汰《ごぶさた》で。否《いえ》、もう、そりゃ実に、烏《からす》の鳴かぬ日はあっ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、毛巾を便にして、姿と一緒にひらひらと動かすと、畳に陽炎が燃えるようなり。 「御無沙汰を致しまして済みません。奥様もお変りがございませんで、結構でございます。先....
「海異記」より 著者:泉鏡花
を掉ったが、さも横柄に見えたのである。 また泣き出したを揺りながら、女房は手持無沙汰に清しい目を※ったが、 「何ですね、何が欲いんですね。」 となお物貰いと....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
「馬鹿野郎！ 人の前でのろけを書きゃアがった、な」 「のろけじゃアないことよ、御無沙汰しているから、お詫びの手紙だ、わ」 「『母より承わり、うれしく』だ――当て....
「出奔」より 著者:伊藤野枝
まで出ては、黄色な菜の花の中を歩いていく友達の姿を見送った。そして室に帰ると手持無沙汰で考え込んではいつか昼になったことを知らされるのであった。 「今日はどうし....
「わがまま」より 著者:伊藤野枝
らしてその後姿を見つめていた。 「登志さん」 はずんだ従姉の声に我に返って手持無沙汰に立っている――永田――夫――に目礼して嫌な叔父に挨拶をすました。傲然とか....
「霊界通信　小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
って下方を向いた切り、顔の色なども何所やら暗いように見えました。私はちょっと手持無沙汰に感じました。 すると案内のお爺さんが代って簡単に挨拶してくれました。―....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
えて僕に聞かせたからである。 しかし僕は一二年の後、いつか又「ホトトギス」に御無沙汰をし出した。それでも蛇笏には注意していた。或時句作をする青年に会ったら、そ....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
仕事が俺にあって欲しい 徒食するのは恥しいから 葉書さえ買う金なく本意ならず 御無沙汰をする俺の貧しさ 無くなったインクの瓶に水入れて 使って居るよ少し淡いが ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
たでしょう。 私も思い込んだんでさ。いえ、何でも参りません。いえ、いえ、もう御無沙汰いたしますッて、そういったら、お嬢さん、……」 としばらくものを言うあた....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
日か。」といって少し鬱ぐ。 「そこで久しぶりじゃ、私もちっと冷える気味でこちらへ無沙汰をしたで、また心ゆかしに廓を一｜廻、それから例の箕の輪へ行って、どうせ苔の....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
ていた。それだのに君はこんなに親切だ。君は少しも悪くとらない――許され難い僕の御無沙汰をさえも。君はいつもかわらぬ忠実な善良な公明正大な友であってくれる。――君....