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「無為〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無為の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
私は今日《こんにち》限り、当区に居住する事を止《や》めるつもりでございます。無為無能なる閣下の警察の下《もと》に、この上どうして安んじている事が出来ましょう....
星座」より 著者:有島武郎
と痛悔《つうかい》の至りに候ことに生来病弱|事志《ことこころざし》と違い候は天の無為を罰してしかるものとみずから憫《あわれ》むのほかこれなく候貴女はなお弱年こと....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ハ少ナイヨウデス。青年ノ多クハ小サクサカシクオサマッテイルモノカ、ツマラナク時ヲ無為ニ送ッテイマス。デスガ私ハ私ノ故郷ダカラ好キデス。 イロイロナモノガ私ノ心ヲ....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
帰り得ないで、有らん限りの躊躇をしていたのも、思えばこの外界の威力の前に私自身の無為を感じていたからなのだ。そして何等かの手段を運らしてこの絶大の威力と調和し若....
演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
くは完成されつくした演技指導の型といったようなものの特色は、著しく静かでほとんど無為に似た形式をとりながら、その実、当事者間には激しい精神の交渉、切磋、琢磨がつ....
戦争中止を望む」より 著者:伊丹万作
現在の日本は政治、軍事、生産ともに行き当りばったりであり、万事が無為無策の一語に尽きる。 我々国民は、政府が勝利に対する強力なる意志と、周到な....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
大危機が来るという話だが、その二ヶ月も前にこうして危機は到来して居り、政府は無策無為。そして新円は、旧円六百億円を二百億円にくいとめたのも束の間にて、今や二百五....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
めても言葉をかわすくらいの間がらになりたいものである。列子とともに風に御して寂静無為を味わうこともできよう、われらみずから風であり、天にも属せず地にも属せず、そ....
雛妓」より 著者:岡本かの子
。 わたくしを後援する伯母と呼ぶ遠縁の婦人は、歌も詠まないわたくしの一年以上の無為な歳月を、もどかしくも亦、解せなかった。これは早く外遊さして刺戟するに如かな....
続獄中記」より 著者:大杉栄
にのみ見て、それに対する自己を実行の上に現すことのできない囚人生活によって、この無為を突き破ろうとする意志の潜勢力を養った。 僕はまた、この「続獄中記」を、「....
」より 著者:織田作之助
は二月も寝ていなかった。絶えず何かの義務を自分に課していなければ気のすまぬ彼は、無為徒食の臥床生活がたまらなく情けなかった。母親の愛情だけで支えられて生きている....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
戻って来た。 源蔵も今は源光といって、立派な僧侶となっているのであった。棄恩入無為といいながら、源光はおのが身の修業にのみ魂を打込んで、一度も故郷へ帰らなかっ....
荘子」より 著者:岡本かの子
。瓦甓にもある。屎尿にもある。と仕舞いにはごろりと身を横たえて俺は斯して居ても「無為自然の道」を歩いて居るのだと申すようなわけで御座います」 土間から裏口に通....
」より 著者:織田作之助
も寝ていなかった。絶えず自分の存在を何ものかで支えて居らねば気の済まない彼には、無為徒食の臥床生活がたまらなく情無かった。母親の愛情にのみ支えられて生きているの....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
意に対し必ず研究を続ける決心であったが、その後の健康の不充分と職務の関係上、遂に無為にして今日に及んでいる。資料もまた未整理のままである。今日は既に記憶力が甚だ....