無理算段[語句情報] » 無理算段

「無理算段〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無理算段の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青春の逆説」より 著者:織田作之助
行った。その後姿をちらと見て、編輯長は一層失望してしまった。豹一のオーバは母親が無理算段の金で買ってくれたものだが、いわゆる「首つり」という代物だった。日本橋の....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
お前の実生活にもその影響がない訳ではない。これからのお前は必然によって動いて、無理算段をして動くことはない。お前の個性が生長して今までのお前を打ち破って、更に....
河明り」より 著者:岡本かの子
町で夫婦共稼ぎの一旗上げるつもりで上京して来た。そういう夫婦の例にままあるとおり無理算段をして出て来た近県の衰えた豪家の夫妻で、忽ち失敗した上、夫は病死し妻は、....
足迹」より 著者:徳田秋声
手取りでしょう。小崎さんも大分お使いになったようです。」 叔母に隠して、叔父が無理算段をしては入れ揚げていることが、この男の話でも解った。叔父の持ち株で、近ご....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
の楽しそうな様子を見るにつけても、よし今夜こそはと店の金をごまかし血の出るような無理算段して、私のほうからあなた様たちをお誘い申し、そうしてやっぱり、私だけもて....
脳の中の麗人」より 著者:海野十三
と説明した。 (矢部さんはあたしが大好きだというんです。そしていろいろと自分でも無理算段をしたようですわ。でもあたし、矢部さんがどうしてもすきになれませんのよ)....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
が田舎|気質の赫と逆上せた深嵌りで、家も店も潰した果が、女房子を四辻へ打棄って、無理算段の足抜きで、女を東京へ連れて遁げると、旅籠住居の気を換える見物の一夜。洲....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
たんです。が、こちらが身震をするにつけて、立替の催促が烈しく来ます。金子は為替で無理算段で返しましたが、はじめての客に帰りの俥まで達引いた以上、情夫――情夫(苦....
中庸」より 著者:坂口安吾
恥じた。よって彼に不明を詫びたが、 「しかしだね。予算のないのは分るが、なんとか無理算段して学校の床を張ってやることはできまいか」 余が重ねてかく云うと、彼は....
貞操問答」より 著者:菊池寛
る金としたならば、一体何の金だろう。昨年あたり新聞でよく見た、左傾した女の人達が無理算段の金を作るように、まさかあの姉が急に左傾して、党へ出すとかいう金をでも作....
S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
済事情に縛られながら、なんとかして、「昔のような」あたり前の生活ができたら、と、無理算段をしています。 ところで、その「昔のような」生活が果して、われわれ人間....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
は鹿児島まで、ざっと三十人ばかりの申し込みがあった。なけなしの金をはたいたのか、無理算段したのかいずれにしてもあまり余った金ではない証拠に、為替に添えた手紙には....
雪の夜」より 著者:織田作之助
少かった。 それでも、せがまれるままに随分ものも買ってやった。なお二百円の金を無理算段して、神経痛だという瞳を温泉へ連れて行った。十日経って大阪へ帰った。瞳を....
子をつれて」より 著者:葛西善蔵
って、八月十日限りといういろ/\な条件附きの証書をも書かされたのであった。そして無理算段をしては、細君を遠い郷里の実家へ金策に発たしてやったのであった。…… 「....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
崩れて、また元のこの世へ落ちて来るに違いない」と言うのであります。譬えて言えば、無理算段をして温泉逗留に出たものが、旅先で旅費を使い果せば、やがてほうほうの態で....