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「無用の人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無用の人の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
ることもできず、本を書くこともできず、ものを教えることもできない。ソウすれば私は無用の人間として、平凡の人間として消えてしまわなければならぬか。陸放翁《りくほう....
神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
を一、二人の先達がするを、十余人が黙して聞きおるなり。米の安からぬ世に、さりとは無用の人のために冗職を設けることと驚き入るばかりなり。かかる人物は、当分史蹟天然....
永遠のみどり」より 著者:原民喜
に追詰められてはいても、とにかく彼の方が幸《しあわせ》かもしれなかった。天が彼を無用の人間として葬るなら、止《や》むを得ないだろう。ガード近くの叢で見た犬の死骸....
石狩川」より 著者:本庄陸男
にあった農民が、とりつく島もない頑固げな姿をあらわしたのであった。――みずからを無用の人間と観ずる寂寞《せきばく》ほど深いものはあるまい。踏みなれた懐《なつか》....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
んだはずではなかった。いろいろと我が心に弁解を試みて、人を斬ることは何でもない、無用の人を斬るために、夜な夜な辻斬をして歩く者さえある、間違って人一匹|殺《あや....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
中年以後ますます甚だしく暴露されて来たので、明治以後の新作物については彼は殆んど無用の人となってしまった。台詞廻しにも締りが無くて、いたずらにパアパア言うばかり....
文明教育論」より 著者:福沢諭吉
苦心は、わずかにこの活字引《いきじびき》と写字器械とを製造するにとどまりて、世に無用の人物を増したるのみ。 もとより人心全体の釣合を失わざるかぎりは、難字も解....
三国志」より 著者:吉川英治
す船はない。何となれば、曹丞相からさようなお沙汰はとどいていないからである」 「無用の人かな」 と、関羽は、一笑のもとにつぶやいて、そのまま車を押させ、直接、....