無用の長物[語句情報] » 無用の長物

「無用の長物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無用の長物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
しくなったと思うような清逸自身が加わるのだ。自分の家に帰ると、清逸は一人の高慢な無用の長物にすぎないのだ。しかもそれは恐ろしい伝染性の血を吐く危険な厄介物《やっ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
全なものになり、快速になってゆく。だからあんな飛行島なんてものはいらなくなるよ。無用の長物とはあのことだ。わが国でもしあれに金を出すやつがいたら、俺は大いに笑っ....
バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
そそり立つであろう。その冲天の姿こそ、若きカリフォルニヤのシンボルである。これを無用の長物と呟かしめる事は当事者の恥である。 美しき門と高き塔とは世々に其の美と....
好奇心」より 著者:織田作之助
らぬ。チャンスがなかったのだ。手術みたいなものかしら。好奇心の病気! 盲腸という無用の長物に似た神秘のヴェールを切り取る外科手術! 好奇心は満足され、自虐の喜悦....
現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
け笑っているような気がするではないか。かというて茶道教育なんて価値はない、無駄だ無用の長物だと私はいうのではない。むしろその反対に茶の教養のない人をみるたびに、....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
、暴力に対する唯一の知的な方法はこれ以外にはない。 小ッポケな自衛権など、全然無用の長物だ。与えられた戦争抛棄を意識的に活用するのが、他のいかなる方法よりも利....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ころだから、気分のよい遊び場としての設備をととのえるべきで、博物館や図書館などは無用の長物だということなどを知ることにあるのである。物に即してそれぞれの独自の設....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
を食餌にして一生を終るように仕込まれている。義理人情にとっては、批判というものは無用の長物、あっては困るものである。記代子のように、一見、義理人情にも突き放され....
」より 著者:島崎藤村
こしらえる為にいそがしかった」こう思っていた。お種に取って思出の部屋々々も彼には無用の長物であった。 こういう実際的な幸作のところへ、旧家の空気も知らないお島....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
争えるだけ争おうとしているような夫半蔵の方へ帰って行った。 諸方の城郭も、今は無用の長物として崩されるまっ最中だ。上松宿の原畑役所なぞが取り払われたのは、早く....
六号室」より 著者:瀬沼夏葉
微々たるもので、社会の必然の悪の一|分子に過ぎぬ、総て町や、郡の官吏共でも皆詰り無用の長物だ。ただ給料を貪っているに過ぎん……そうして見れば不正直の罪は、敢て自....
二十世紀旗手」より 著者:太宰治
人の尊さ、かれのわびしさ、理解できぬとあれば、作家、みごとに失格である。この世に無用の長物ひとつもなし。蘭童《らんどう》あるが故に、一女優のひとすじの愛あらわれ....
花吹雪」より 著者:太宰治
であろうか。人の振り見てわが振り直せ、とかいう諺さえあるようではないか。この世に無用の長物は見当らぬ。いわんや、その性善にして、その志向するところ甚だ高遠なるわ....
みみずく通信」より 著者:太宰治
おわかれしました。 「大学へはいって、くるしい事が起ったら相談に来給え。作家は、無用の長物かも知れんが、そんな時には、ほんの少しだろうが有りがたいところもあるも....
錯覚自我説」より 著者:辻潤
光焔を吐くことは実に僕のひそかに愉快とするところである。 形而上的思索の如きは無用の長物であるかも知れぬ。宇宙が三角であり、四角であり、自我が錯覚であると否と....