無相[語句情報] » 無相

「無相〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無相の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虚構の春」より 著者:太宰治
さんへも宜しく御伝え下され度、小生と逢《あ》っても小生が照れぬよう無言のうちに有無相通ずるものあるよう御取はからい置き下され度、右御願い申しあげます。なお、この....
骨董」より 著者:幸田露伴
禹の穿いたカナカンジキだのというようなものを素敵に高く買わすべきで、これはこれ有無相通、世間の不公平を除き、社会主義者だの無産者だのというむずかしい神※の神慮を....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
守っていたが、五月一日に至って藩知事津軽|承昭の命を拝した。「親源吾給禄二十俵|無相違被遣」というのである。さて源吾は謁見を許されぬ職を以て終ったが、六月二十日....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
には 先刻大津の銚子屋にて御面談の儀に付御書状の趣き逐一承知|仕候御申越の時刻|無相違御出合申可貴殿にも御覚悟にて御出張|可有之此段|及御答候也 四月十....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
瞬間から、憤怒の炎が吹き出して参るものでございます。雑念、妄想の世界を離れて、空無相の本体をごらんになれば、そこに怒るべき我もなく、怒りを移すべき人も無いはずで....
十一谷義三郎を語る」より 著者:豊島与志雄
時、十一谷君が私の困窮を見て、私の負債整理に尽力してくれた頃、「とにかくお互に有無相通じて急場をきりぬけよう。」と云ってくれたのを、私に気兼ねさせまいとの老婆心....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
間違いである。信仰というものはそんな狭い、融通のきかないものではない。仏法などは無相の相といって、どんな形にでも変転することができる。墨染の衣にでも、花嫁の振袖....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
売りつけてやろうというのは杉材だが、これはオレの今やっとる仕事にむかん。商業は有無相通ずるところに妙味があるから、諸君に一カク千金のチャンスを与えてやる。作業場....
四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
なつた、冬が近づいたなと思う、沈欝やりどころなし、澄太君からも緑平老からも、また無相さんからも、どうしてたよりがないのだろう、覚悟して――というよりも、あきらめ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
あります。この辺の兼ね合いはなかなか難しいものです。こういう言葉があります。 有無相通じ、長短相補う。 このよき調節の伎倆は、やはり自分に対する活きた眼を備え....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
一日、鞍馬の奥の院へ行って、松籟の中に、黙って坐りこんで降りて来たのであったが、無相無身になってみようと努力したその時のほうが、どうしても、死というものから離れ....