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無籍
「無籍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無籍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
の手当や、子供の貯金まですっかり消費してしまい、終戦となるや、私の復員をおそれて
無籍の嬰児を連れたまま行方をくらましてしまいました。妻も今では、捨てられたと詫び....
「父」より 著者:金子ふみ子
もう七つになっていた。そして七つも一月生れなのでちょうど学齢に達していた。けれど
無籍者の私は学校に行くことが出来なかった。
無籍者! この事については私はまだ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
自信が、いかなる功利を以てしても、他の隷属とすることを許さない。無名丸は、同時に
無籍丸であって、その登録すべき国籍と船籍を有せぬ限り、大洋の上に出づれば、それで....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
一日(一七九三年国王ルイ十六世死刑執行の日)
デ・グー(乞食)
デ・トリュアン(
無籍者)
マルシュ・アン・ナヴァン(前進)
ロベスピエール
ニヴォー(水準)
サ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
けつ》のあるごとく、パリーには下水道があった。ゴール語のいわゆるピカルリアという
無籍者らは、クール・デ・ミラクル一郭の出城として下水道に居を構え、夕方になると寝....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
か。まだ帰りませんか。」 北村さんは何か考えている。 「あの人、のんきですね。
無籍者ののんきだから、あてがない。」 北村さんは酒のコップで卓上を叩いた。 「....
「わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
やられたやうなことが戦争の始めにあれば、しめた、といふので、死んだふりをしたり、
無籍者になつたり、年齢をごまかしたり、余は丁種でござる、といふやうなことを申立て....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
にもいにくくなり、放恣に身を持ちくずして、困りもの我儘ものとして諸家に預けられ、
無籍ものの浮浪にもひとしい生活をつづけていたことをも苦にせずに、かえってその境遇....
「暗黒星」より 著者:黒岩涙香
八 勿論暗黒星は太陽系統に属していぬ。天のどの方面にいるかも分からぬ。恐らくは
無籍者だろう。色は名の通り暗黒で、短い尾を引いたのも有り全く尾の無いのも有る。何....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
為すところの部曲の民は当然間人なるべきものであったに相違ない。勿論この以外に化外
無籍の徒が所在少からなんだ事であろうが、それは国家の民として存在を認められざる非....
「西航日録」より 著者:井上円了
し。二十二日、本野公使に同伴して市内を見物す。見物中ことにおもしろく感じたるは、
無籍の死体を排列して、公衆に示すところなり。二十三日、市外に遊歩して、フランス歴....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
傷をする。
ジイベル
魔法だ。
遣っ附けろ。そいつは
無籍者だ。
(皆々小刀の鞘を払ひて、メフィストフェレスに掛かる。)
....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
近畿あたりにも随分それがおります。政府の調査なり保護なりが随分行き届いて、もはや
無籍者は一人もなかろうと思われる今日ですらそうでありますから、こういう浮浪民は昔....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
その実はなお或る種の人類が少からず生活していたのであった。すなわち戸籍帳に漏れた
無籍者で、一定の居所をも有せず、国家の法律にも拘束せられず、生活の便宜を追うて各....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
漏れて、国法上その存在を認められないものがたくさんありました。いわゆる浮浪民たる
無籍者です。 浮浪民となったものは、はじめから遊牧的の浮浪生活をつづけ、あるい....