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無籍者
「無籍者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無籍者の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:金子ふみ子
もう七つになっていた。そして七つも一月生れなのでちょうど学齢に達していた。けれど
無籍者の私は学校に行くことが出来なかった。
無籍者! この事については私はまだ....
「小景」より 著者:宮本百合子
ら。 ところが、率直に云って、どれも私の心持には当っていない。私や、私のような
無籍者の美術批評家達は、ちっとも憐れまれる必要もなければ、あぶなかしがられるにも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たのは、こいつならば、よし冤罪《えんざい》に殺しても、後腹《あとばら》の病まない
無籍者だから、時にとっての人柱もやむを得ないと、当人ではない、役人たちが観念して....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
一日(一七九三年国王ルイ十六世死刑執行の日)
デ・グー(乞食)
デ・トリュアン(
無籍者)
マルシュ・アン・ナヴァン(前進)
ロベスピエール
ニヴォー(水準)
サ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
けつ》のあるごとく、パリーには下水道があった。ゴール語のいわゆるピカルリアという
無籍者らは、クール・デ・ミラクル一郭の出城として下水道に居を構え、夕方になると寝....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
か。まだ帰りませんか。」 北村さんは何か考えている。 「あの人、のんきですね。
無籍者ののんきだから、あてがない。」 北村さんは酒のコップで卓上を叩いた。 「....
「わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
やられたやうなことが戦争の始めにあれば、しめた、といふので、死んだふりをしたり、
無籍者になつたり、年齢をごまかしたり、余は丁種でござる、といふやうなことを申立て....
「暗黒星」より 著者:黒岩涙香
八 勿論暗黒星は太陽系統に属していぬ。天のどの方面にいるかも分からぬ。恐らくは
無籍者だろう。色は名の通り暗黒で、短い尾を引いたのも有り全く尾の無いのも有る。何....
「肌の匂い」より 著者:三好十郎
ながら雨の音を聞いています。すべてが僕にとつてなんでしよう。僕はゴロツキの子分で
無籍者です。全部愚劣なことです。 こんな事では無いのです。僕が手紙を書くのは、....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
傷をする。
ジイベル
魔法だ。
遣っ附けろ。そいつは
無籍者だ。
(皆々小刀の鞘を払ひて、メフィストフェレスに掛かる。)
....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
近畿あたりにも随分それがおります。政府の調査なり保護なりが随分行き届いて、もはや
無籍者は一人もなかろうと思われる今日ですらそうでありますから、こういう浮浪民は昔....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
その実はなお或る種の人類が少からず生活していたのであった。すなわち戸籍帳に漏れた
無籍者で、一定の居所をも有せず、国家の法律にも拘束せられず、生活の便宜を追うて各....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
漏れて、国法上その存在を認められないものがたくさんありました。いわゆる浮浪民たる
無籍者です。 浮浪民となったものは、はじめから遊牧的の浮浪生活をつづけ、あるい....