無精者[語句情報] » 無精者

「無精者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無精者の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
日分の握飯は風呂敷に包んで若い方の剛力が背負《しょ》って来たのだが、この男元来の無精者、雨が降っても蔽《おお》いもしなかったものと見え、グチャグチャに崩れた上に....
こころ」より 著者:夏目漱石
燵の上では打てないが、そこへ来ると将碁盤は好《い》いね、こうして楽に差せるから。無精者には持って来いだ。もう一番やろう」 父は勝った時は必ずもう一番やろうとい....
浮浪漫語」より 著者:辻潤
浮浪漫語 辻潤 自分はなによりもまず無精者だ。面倒くさがりやである。常に「無為無作」を夢みている。従ってこれまで自分....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
語を鋳造するには、西学輸入の率先者たる諸先輩の骨折はなかなか大したものであった。無精者を罵って「竪のものを横にさえしない」というが、堅のものを横にしたり、横のも....
女の一生」より 著者:森本薫
うだね、ふみちゃん、ああいうのなら。 ふみ いやよ、私。 章介 叔父さんのような無精者でも厭、精三君のような働き者でもいや、それじゃ君は一体どういう人を旦那様に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
兆《きざ》したと見え、透かさずその言葉尻をとらえてみたのですが、 「いいや、僕は無精者で、語学なんぞはようやりません、それに晩学ではね」 と突放されたが、まだ相....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、能登守の一行がその屋敷を出るとほとんど同時でありました。取次の言葉を聞いてこの無精者《ぶしょうもの》がガバと刎《は》ね起きたところを見ると、それは主膳の耳にか....
放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
座候だ。何もない。 何も御座無く候だ。 あぶないぞ! あぶないぞ! あぶない無精者故、バクレツダンを持たしたら、喜んで持たせた奴等にぶち投げるだろう。 こ....
ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
てゆくし、すばらしい景色も、消えてまた返らずさ。というのも、人間というやつが元来無精者で、腰をまげて地面から焚物を拾うだけの才覚がないからさ。(エレーナに)そう....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
不信心な方である。 不信心は不信心だが、お寺や祭壇を否定する気は毛頭ない。ただ無精者なのである。亡い父母にたいしても、朝夕、思い出しはする。けれど朝夕に拝むよ....