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無罪
「無罪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無罪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
巡査に尋ねてみました。
「どうしてあの河童をつかまえないのです?」
「あの河童は
無罪ですよ。」
「しかし僕の万年筆を盗んだのは……」
「子どもの玩具にするためだ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ことを知っているからいいが、もしやこれを他の人に見られたとなると、これは簡単には
無罪を信じて貰えないことだと思った。僕は俄かに不安な気持に襲われた。 そのとき....
「人間灰」より 著者:海野十三
「どうです署長さん」なおも青谷は苛責の手を緩めなかった。「僕はそのことだけでも
無罪の筈です。僕を苦しめてどうなるのです。それより、なぜあの血まみれの容疑者を責....
「赤外線男」より 著者:海野十三
ぶっつけた方の運転士は、色盲だったことが後に判明して、無期懲役の判決をうけたのが
無罪になった。人間の視力なんて、まことに不思議なものであり、又デリケートなもので....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
はきっと真中から二つに割れるボンボン入れのようなものであったろう。 海原力三は
無罪となり、放免された。 しかし丘田医師は、あの夜から、どこへ逃げたものか、行....
「蠅男」より 著者:海野十三
つけたとて、犯行は犯行であった。水田検事から詳しい説明がのべられると、村松検事の
無罪説を信じていた帆村たちも、それでも村松検事は塩田先生殺しに無関係であるとはい....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
ですから、冥利につきまさアね……でまア、そんなわけで、やがて洗濯屋は証拠不充分で
無罪を判決され、ひとまずその事件もケリがついたんです…… ところで……話はこれ....
「獄中記」より 著者:大杉栄
絵ではなく、まったく似てもつかない他人の顔なのだ。 寧斎殺しの方は証拠不十分で
無罪になったとか言って非常に喜んでいたことがあった。また、本当か嘘か知らないが、....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
君は、どっちだと考えるのか、今までの材料と君の感じとでは……」 土居は妹の有罪
無罪の判別を、帆村の次の一答によって決しようとて緊張の絶頂にあった。 「やっぱり....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
で船の中の牢屋にいれられるところだったんです。そのとき大木老人がきてくれて、僕が
無罪だということをさかんにいってくれたんです。だから僕は、牢にも入らないで、船の....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
0 「ただ、正直に凡てを話して下さい。僕達がこうして君に詳しく聞くのも、結局君の
無罪なる点をハッキリして置きたいためです」 と、係の検事は穏かに云った。 杜....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
・明治三十九年五月 どうせ食うなら重罪の方が面白い。軽罪はあまり気がきかない。
無罪ならもっとも妙だ。看守さんに聞いたら九年以上との話。マア十年と思って考えて見....
「墓」より 著者:秋田滋
さえいないように見えた。 裁判長はやがて法廷の慣用語をつかって、陪審員が被告に
無罪の判決を下したことを、彼に云い渡した。 しかし彼は身うごき一つしなかった。が、傍聴席からはどッと拍手が起った。....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
の妨害した警官が罪にならず、なんの抵抗もしない私たちが罪になるのは了解に苦しむ。
無罪だ』と述べたが懲役五ヵ月をくった。 獄中でゲタの鼻緒の芯をない、封筒はりを....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
身狭く暮らす事だろう、と思うと堪まらない。どうぞ真犯人を見出して、娘のために父が
無罪であったことの証明を立てて頂きたい、という譲治の切なる願いを果してやりたくて....