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無能
「無能〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無能の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
とって、もちろん好ましいことではない。しかも彼は遅筆の方である。彼はそれが自分の
無能力に裏書きをするように思われて、寂しくなったこともよくあった。が、一方またそ....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
私は今日《こんにち》限り、当区に居住する事を止《や》めるつもりでございます。無為
無能なる閣下の警察の下《もと》に、この上どうして安んじている事が出来ましょう。
....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
ろどん》な、仕事の出来ない、憐れむべき男と見る外を知らなかった。私の小心と魯鈍と
無能力とを徹底さして見ようとしてくれるものはなかった。それをお前たちの母上は成就....
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
ながら哲学や芸術に没頭しているとすれば、彼らは現代から取り残された、過去に属する
無能者である。彼らがもし『自分たちは何事もできないから哲学や芸術をいじくっている....
「親子」より 著者:有島武郎
もし株主の側から出た噂ならだが、営業者間の評判だとすると、父は自分の役目に対して
無能力者だと裏書きされているのと同様になる。彼はこれらの関係を知り抜くことには格....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
化的には何らの意味も期待できないことがわかる。ただこのうえはさいわいにして彼らが
無能であってこれ以上映画界に害毒を流すことさえなければまことに見つけものだと思っ....
「戦争中止を望む」より 著者:伊丹万作
ならばいかなる困苦にも堪え得るものであるが、現実においてあらゆる事態がその無計画
無能力を暴露しているにもかかわらずただ口頭のみにおいて空疎な強がりを宣伝し、不敗....
「赤外線男」より 著者:海野十三
然日本全国の新聞紙を賑わした。それと共に、赤外線男の噂が一段と高まった。警視庁の
無能が、新聞の論説となり、投書の機関銃となり、総監をはじめ各部長の面目はまるつぶ....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
待遇を受けなくとも文人自身からして不思議と思わなかった。寧ろ文人としては社会から
無能者扱いを受けるのを当然の事として、残念とも思わず、憤慨するものも無かった。 ....
「海底都市」より 著者:海野十三
》まえそこなった。 「二十年前の人間は、悪病と栄養失調と非衛生とおどろくべき無知
無能のために、このような衰弱《すいじゃく》したからだを持っている。よくごらんなさ....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
のですよ。夫人はあの外人と、密かな邪恋に酔っていたでしょうが、いまのところ博士は
無能力者であり、自分は誰にも邪魔されず研究していられりゃいいのであって、その点、....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
今となつて外地へ持ち出す一本の映画もないと叫び、その原因をあげて映画芸術家の
無能低劣のゆえに帰し、口を極めてこれをののしる人がある。 ああ、古来他の責任を....
「政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
にせものであつて、本質は、先ごろの暗黒時代の政治家といささかの差異もない。反動的
無能内閣として定評ある現在の幣原内閣の閣僚たちに比較してさえ、古くさく、教養に乏....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
てその女が毎日俺たちの画室に来てモデルになってくれた。俺たちのような、物質的には
無能力に近いグループのために尽くしてくれるその女の志は美しいものだった。奴はひそ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
フランス大使館の書記生の時代に、田中義一大将がフランスに廻って来て盛んに外交官の
無能を罵倒したらしい。それで伊藤氏は大いに憤慨したが、軍人はともかく政治・経済の....