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「無芸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無芸の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
いた。他藩であったら或いは柔弱のそしりを受けたかも知れないが、ここの藩中では全然無芸の者よりも、こうした嗜みのある者がむしろ侍らしく思われるくらいであったから、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
っぽい声で、「右や左のお旦那様……たよりない者をお助け下さいまし」を繰返すだけの無芸大食ばかりではなく、なかには凝った意匠で、破《や》れ三味線をペコペコやりなが....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
を忌避しました。 およそ大道芸人のうちでも、丹波の国から生捕りました荒熊の如き無芸で殺風景なものはない。自分の身体を墨で塗り、荒縄で鉢巻をし、細い竹の棒を手に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
も赤裸で、とうとうと言って人の門《かど》に立って銭貰《ぜにもら》いをするのだが、無芸と無頼とを以て聞えている。どうかすると謎々《なぞなぞ》のようなものを持って来....
華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
、かげりがある。随分の年かな―― 「あなた、音楽なさいませんの」 「好きだけど、無芸なのよ」 「あなた、失礼だけど、お幾つ」 「年などはずかしくって申せませんわ....
私の小説」より 著者:坂口安吾
室の窓の下で智恵をしぼつたあげくに、二十人の編輯者が同じ原稿をたのみにくるとは、無芸大食、大食は否応なしに封じられてゐるかも知れぬが、流線型といふ感じではない。....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
県の小さな町では、十八の少年が麻雀の金が欲しさに、四人殺して、たった千円盗んだ。無芸無能で、こういう愚劣な例は全国にマンエンしている。戦国乱世の風潮である。 ....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ない。 まず程々にすべし。裸体が許されたからといって、やたらに裸体を見せるのが無芸の至り。美は感情との取引だ。見せ方の問題であるし、最後の切札というものは、決....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
、あの校歌だの応援歌というものは、坊主のお経によく似ているなア。あゝいうブザマな無芸な音響は、つつしまなければいけない。集団の行動というものは、底に意気(粋)の....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
され、濁酒と唐辛子を舐めずりながら、温突から温突へと放浪した。 しかし、空拳と無芸では更に成すべき術もなく、寒山日暮れてなお遠く、徒らに五里霧中に迷い尽した挙....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
位は覚えているのも悪くないものだぜ。今の中はこれでも好いが、年を老ってから全くの無芸でも変テコなものだよ。私などもいろいろの宴会なぞの席で芸なしで困ることが度々....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
君子の言うべきにあらず。すでにみずから学者と唱えて天下の事を患うる者、豈《あに》無芸の人物あらんや。芸をもって口を糊《こ》するは難きにあらず。かつ官にありて公務....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
ある。夜に入れば食事にて余興が始まる。日曜日のほかは一日も休みがない。拙者などは無芸であるから、約三十日の間傍観していたが、昼間は毎日、学校の運動会に招かれたと....
小学教育の事」より 著者:福沢諭吉
ん、世人の精神に感ずるところは、道徳の一品をもって身を立《たつ》るの資本となし、無芸にても無能にても、これに頓着《とんちゃく》せざる者あるが如し。その趣《おもむ....