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無茶
「無茶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無茶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
を眺めていた。彼はもう一度時計を見た。それから、――教科書を取り上げるが早いか、
無茶苦茶に先を読み始めた。
教科書の中の航海はその後《ご》も退屈なものだったか....
「百合」より 著者:芥川竜之介
とっく》み合いを始めた。顔を真赤にした金三は良平の胸ぐらを掴《つか》まえたまま、
無茶苦茶に前後へこづき廻した。良平はふだんこうやられると、たいてい泣き出してしま....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
が》を背負うから……人が何と云ったってよいじゃないか」 何というても児供だけに
無茶なことをいう。
無茶なことを云われて民子は心配やら嬉しいやら、嬉しいやら心配や....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
にまかした。寝るように身体を低くして、枝の間をあっという間にぬける。ことごとく、
無茶苦茶である。立ち止まると寒くていけない。雪が降っている上に風が吹いて日が傾い....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
で、少し遅くなって帰ろうとすると、Yは泊ってゆけとしきりにとめるのです。私はその
無茶な申出に驚いていました。さすがにMさんは、 「こんな処に泊めちゃ迷惑じゃない....
「わがまま」より 著者:伊藤野枝
るはずみらしいことをした事が何とはなしに自分に対して忌々しくなってきて、そのまま
無茶苦茶に歩いて出口の方へ行った。車寄のすぐ左の赤いポストが登志子の眼につくと、....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
た技師の先生だ。――言うまでもなく、立野竜三郎は渠である―― (減った、減った、
無茶に減った。) と、いきなり卓子の上の風呂敷包みを解くと、中が古風にも竹の子....
「墓」より 著者:秋田滋
眼のなかに狂的な悦びを注ぎ込み、わたくしに、雀躍りをしたいような、そこらじゅうを
無茶苦茶に馳けてみたいような、大地の上をごろごろ転げ※りたいような気持を起させる....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
金持にしても同様だが、そういう訳の分らぬ連中に落札されてしまって、その畦や畑境へ
無茶な植林でもされた日には……何となれば連中とて今度は租税が出るのだから、ただ放....
「瘤」より 著者:犬田卯
うな下ッ端のものには……まア、おかせぎ。」 ひょかひょかと行ってしまった。 「
無茶だ」と田辺はつぶやいた。「畜生、なんだと、期日までに返済なき場合は、止むを得....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
躍り込むと、戸外は風で吹き散ったれ、壁の残った内は籠って、颯と黒煙が引包む。 「
無茶でさ、目も口も開きやしねえ、横もうしろも山のような炎の車がぐるぐると駆けてま....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
ったのも容易でねえ。 そうかといって、宿場で厄介になろうという年紀じゃあなし、
無茶に廓へ入るかい、かえって敵に生捉られるも同然だ。夜が更けてみな、油に燈心だか....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
るべくして語らなかった、この演説の最終部分にあたるものの原案である〉 ――どんな
無茶なことでも国会の多数にものをいわせて押し通すというのでは、いったい何のために....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
入ったものの何の理由で、いつまでおかれるのかとんと分らない。いまから考えると全く
無茶な話だ。当時市ヶ谷には堺利彦、徳田球一、小岩井浄、田所輝明など第一次共産党事....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
幸福にしてやれなかっただけに、いまでも心に残るお雪だった。 いまから思えば全く
無茶である。満州へいく、といったところで別に当てがあるわけでもない。しかし狭い日....