無言の行[語句情報] » 無言の行

「無言の行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無言の行の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
んで何を思いふけっているのか、じつに驚くほどにもむっつりと押し黙って、まったくの無言の行なのです。――雨ゆえに、きょうばかりは二丁きばった御用駕籠を連ねながら、....
新生」より 著者:島崎藤村
》えて見たこともある。先《ま》ず自己の墓を築いて置いて粗衣粗食で激しく労働しつつ無言の行をやるというあの修道院の内の僧侶《ぼうさん》達に自分の身を譬えて見たこと....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
現実化」して行くのではあるまいかと考えられる。 そうして仲見世の実地試験応用の無言の行は、現実式中の現実式と云うべきであろう。 こんな事を云うとその道の人に....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を忍ぶ身には煙草の火も禁物である。まして迂闊にしゃべることも出来ないので、二人は無言の行に入ったように、桜の蔭にしゃがんで黙っていた。 夜明かしを覚悟していた....
自叙伝」より 著者:大杉栄
前ふやすように言った。それから食事の出るまでの三十分間がほどは、ほとんど三人とも無言の行でいた。僕には何となくいよいよもうおしまいだなという予感がした。 その....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
ら三十分後に、検事が警察医を伴って上ってくるまでは、暗黒の中で屍体を挾んだ二人の無言の行であった。ただルキーンが、 「やっぱりワシレンコだな。あいつも可哀そうに....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
が矢張り老人は返辞をせずに黙っていた。すると女は笑声を上げた。 「おやおや復もや無言の行だ。こいつも云うのが厭だと見える。だがね、お前さん、妾にはね、そのお前さ....
獄中記」より 著者:大杉栄
したが、翌日からまるで唖のようになってほとんど口がきけない。二年余りの間ほとんど無言の行をしたせいか、出獄して不意に生活の変った刺激のせいか、とにかくもとからの....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ないよ。斬るか、斬られるか、真剣抜打の応酬なくんばあるべからざる処を、面壁九年、無言の行だ。――どうだい、御前、この殿様。」 「お止しよ、その御前、殿様は。」 ....
詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
家が辞書から得た知識だからである。古い用法では、むしろ宗教的な一種の儀礼である。無言の行とも言うべき事であり、時としては黙戯を意味してもいる。併しそう言う私自身....
五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
れない筈さ。事実猿には似ているのだが、相手が殿下だ、そうは云えない。で、いつ迄も無言の行よ。そこで俺が云ったものさ。『いえいえ然うではございません。つまり猿の顔....
稀有の犯罪」より 著者:小酒井不木
前で、まるで催眠術にでもかけられているように、ぼんやりした表情をしつつ、長い間、無言の行をつづけました。三人とも煙草がきらいなので、はたから見ると、頗る手持無沙....
三つの痣」より 著者:小酒井不木
取って来て置くように告げました。 いつもの通り、容疑者を加えて、私たち六人は、無言の行を始めました。男は初め、検事に何か言われるであろうと予期して居たらしく、....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
る。お杉は消えかかる焚火を前にして、傍の岩に痩せた身体を凭せかけたまま、さながら無言の行とでも云いそうな形で晏然と坐っていた。生きているのか、死んでいるのか、眠....
雨の宿」より 著者:岩本素白
ようである。若い頃、利根川の畔り鹿島の宿で、土用明けのざんざ降りを食って、三日も無言の行を続けたことを思いだしたが、あの黒ずんだ、色彩の無い、常陸の国の川沿いの....