無論[語句情報] » 無論

「無論〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無論の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
間めいた、不思議な円光をかけるばかりで、少しも卑しいなどという気は起こさせない。無論、あの女は、時々おれに、いっそ仲間へはいれと言う。が、おれはいつも、承知しな....
Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
、使用されるようですが。」 「どんな価値を。」 「主として、芸術的な価値をです。無論まだその他の価値も、測定出来ますがね。ゾイリアでは、それを祖先の名誉のために....
妙な話」より 著者:芥川竜之介
るのだそうだ。電車はその時|神保町《じんぼうちょう》の通りを走っていたのだから、無論《むろん》海の景色なぞが映る道理はない。が、外の往来の透《す》いて見える上に....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
様《おおよう》に、二三度独り頷《うなず》いて見せた。 「いや、よくわかりました。無論十二指腸の潰瘍《かいよう》です。が、ただいま拝見した所じゃ、腹膜炎を起してい....
路上」より 著者:芥川竜之介
に悖《もと》ると云って攻撃したんだ。」 「あれで苦しくは無いんでしょうか。」 「無論、苦しいも苦しくないもないんです。」 初子は眉一つ動かさずに、冷然と穴の中....
将軍」より 著者:芥川竜之介
しかし青年は不相変《あいかわらず》、顔色《かおいろ》も声も落着いていた。 「無論俗人じゃなかったでしょう。至誠の人だった事も想像出来ます。ただその至誠が僕等....
或る女」より 著者:有島武郎
うどお腹《なか》がいい空《す》き具合になるわ」 倉地はなんとも答えなかったが、無論承知でいるらしかった。葉子はふと海のほうを見て倉地にまた口をきった。 「あれ....
田端日記」より 著者:芥川竜之介
ない間に、蚊帳が釣ってあった。そうして、それにあけて置いた窓から月がさしていた。無論電燈もちゃんと消してある。僕は氷枕の位置を直しながら、蚊帳ごしに明るい空を見....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、グイと揉み、 「おいでい。」 と太い声で、右の洋冊を横縦に。その鉄壺眼で……無論読めない。貫目を引きつつ、膝のめりやすを溢出させて、 「まるで、こりゃ値にな....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
、喜怒哀楽とか飢渇とかの本能だけしか現わすことの出来ない動物の声のようであった。無論、こうした言葉は誰でも一生のうちに口にする事もあろうが、人間がそれを口にした....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
と申しても、親と子とが順序をかえて死ぬるほど、つらいことはないように思われます。無論私には良人に対する執着もございました。しかし良人は私よりも先きに歿なって居り....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
一方は光、他方は闇、この戦は精神的、並に肉体的の、あらゆる方面に向って行われる。無論両者の争闘は、時代によりて消長を免れないが、現在はその最も激しい時代である。....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
住んでいて、学校通いをしていた子供なのだ。通りがかりの人で、この児に気づいた者は無論たくさんあったであろうが、しかし誰れ一人として、この児が成人してから、世界を....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
なる物、儼乎として動かざる物が、実際に我身の内に宿ってでもいるような心持がする。無論ある程度まで自分を英雄だと感じているのである。奥さんのような、かよわい女のた....
三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
で、色が真黒になって、百姓の子供として恥かしくないような顔になってしまいました。無論着物なぞも、百姓の子供の着るようなものを着せていたので、ほんとに太郎右衛門夫....