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無類
「無類〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無類の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
半分は実際合点がいかない風でガンベは聞き返した。法螺《ほら》吹で、頭のいいことは
無類で、礼儀知らずで、大酒呑で、間歇的《かんけつてき》な勉強家で、脱線の名人で、....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
の影が、自然に漂っていて、脂肪気のない君の容貌をも暖かく見せていた。「なんという
無類な完全な若者だろう。」私は心の中でこう感嘆した。恋人を紹介する男は、深い猜疑....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
かな呼吸と共に微細に震えていた。「クララの光の髪、アグネスの光の眼」といわれた、
無類な潤みを持った童女にしてはどこか哀れな、大きなその眼は見る事が出来なかった。....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
しか、綾子嬢は兄の腕にしっかり抱かれてしまいました。失恋した笛吹川画伯の様子は珍
無類でした。彼は泪を滾したり、無口の人となる代りに、大層快活になり、能弁家になり....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
女は、はちきれるような素晴らしい肉体を持っているのに、精神的には不感性に等しく、
無類の潔癖だった。すべて彼女の背後にある厳格な教育が、彼女をそうさせたのだった。....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
向いている。いやよろしい、窓の方を向いた。……いや、醤どの、うまくいったよ。あの
無類の毒酒を、まんまと三杯も乾してしまったよ。致死量の十二倍はある。あと十五分で....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ろい海面で、果して本艦にうまくひろいあげられるであろうか。 だが柳下空曹長は、
無類とびきり強い心の持主だった。過ぐる日中戦争で、七機の敵飛行機を撃墜している。....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
宮重大根が日本一なら、蕪の千枚漬も皇国無双で、早く言えば、この桑名の、焼蛤も三都
無類さ。 その気で居れば可いものを、二十四の前厄なり、若気の一図に苛々して、第....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
」 「あ、野土青麟か。」 「うむ、野土青麟だ。およそ世の中に可厭な奴。」 「当代
無類の気障だ。」 声を逸って、言うとともに、火鉢越に二人が思わず握手した。 (....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
分けて、あの、ちょろちょろ川が嬉しい。雨上りにちっと水が殖えて、畔へかかった処が
無類で。 取留めのない事だが、我慢して聞きたまえ。――本人にも一向|掴え処はな....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
御加護、お蔭で他所の銀杏とは異なり、何年経てど枝も枯れず、幹も朽ちず、日本国中で
無類の神木として、今もこの通り栄えて居るような次第じゃ。』 『長い歳月の間には随....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
した。画家の喜びは何にたとえましょう。天の助けがあるから自分は眼病をなおした上で
無類の名画をかいて見せると勇み立って医師の所にかけつけて行きました。 王子も燕....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
つても日本が持つているのだからまことに御同慶のいたりである。 かくのごとく※悍
無類の批評家の軍勢が一作いずるとみるやたちまち空をおおうて群りくるありさまはもの....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
決して無御座候に付享和三|亥年はしか流行の節は御用|込合順番札にて差上候儀は全く
無類和かに製し上候故御先々様にてかるかるやき処文政七|申年はしか流行このかた御用....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
となり、市を一貫して流る。これを接続するに幾条の橋路をもってす。夜に入れば、岸頭
無類の電灯は清流に映射して、いちだんの風致を添う。けだし、風光の明媚にしてかつ清....