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焦がれ
「焦がれ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
焦がれの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
う十万億土へ行ってしもうた。おおかた蓮《はちす》の上でな、おぬしの来るのを、待ち
焦がれている事じゃろう。」
言いすてて、自分の冗談を、自分でからからと笑いなが....
「恋を恋する人」より 著者:国木田独歩
る者があるなら彼様《あんな》のが欲しいものだ」 それならば大友はお正さんに恋い
焦がれていたかというと、全然《まったく》、左様《そう》でない。ただ大友がその時、....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
が厳しゅうてなあ。寸時も己が心には、委せぬ身体じゃ。ただ心だけは、焼くように思い
焦がれても、所詮は機を待つよりほかはないと、思い諦めている内に、二十の声を聞かず....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
が能じゃねえとかなんとか大きにご説法なすったようだが、そういうだんなはどうです!
焦がれ死にするくれえに片思いの娘っ子たちが幾人いるかわからねえんだ。いいかげんに....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
な寂寥のどん底の中でも、私だけはこんなにも力強く、一つの曙光《しょっこう》を待ち
焦がれて生きてゆけるのですから。でも、その曙光というのが、もしかして訪れてきた時....
「山県有朋の靴」より 著者:佐々木味津三
て湧きあがった。 思わず平七は顔を赤らめた。 「そうれみろ、知らず知らずに思い
焦がれていたろうがな。ハハハ……可哀そうにな」 「いいえ! いいえ! 可哀そうな....
「もの思う葦」より 著者:太宰治
ある。君もまたクライストのくるしみを苦しみ、凋落のボオドレエルの姿態に胸を焼き、
焦がれ、たしかに私と甲乙なき一二の佳品かきたることあるべしと推量したからである。....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
微笑んで、 「ヤア、漸と助かりましたよ。実は、法水さんの御出馬を千秋の思いで待ち
焦がれていた所なんです。全く熊城さんの無茶な推定にはやり切れません。鏨が一本発見....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
な渡世も、もう今夜限りだものねえ。私だって、きょうという日を、どれほど今まで待ち
焦がれていたか知れないんだよ。誰が、好き好んでやってるわけじゃあるまいし、出来る....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
刻から、申し上げておるではございませんか」「ふん、お前はそんなにまで、あんな男に
焦がれているのか」 するとお北は眼を据えたが、 「解らないお方でございますこと....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
しかも彼の眼は、刀箱の箱書きの文字に食い付いているのであった。 彼が天国の剣に
焦がれているのは、親譲りであった。彼の父、左衛門は、生前彼へこう云った。「我が家....
「寡婦」より 著者:秋田滋
必要です」 私は笑って、この子に接吻をしてやりました。この子は死ぬほど私に思い
焦がれていたのです。 また、その子はよく、夕食のあとで、私の母のそばへ行って、....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
リヴォーヴナの足のあいだへにじり込んで、毛氈にどっかと腰をおろした。 「あたしに
焦がれていたって、それ本当、セリョージャ?」 「なんで
焦がれずにいらりょうか、っ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
生涯お逢になった男は、どんな大胆な、思い切った
事をでも、すぐするように、恋い
焦がれた人ばかりで、
最初からあのテセウスの様な、立派な姿の、しかも
ヘラクレス....
「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
派なとても美しい青年になった時、彼女は含羞むようになり、間もなく夢中になって恋い
焦がれるようになった。この恋心は彼女がヤアギチと結婚するその日まで続いた。 彼....