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「焦らす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

焦らすの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あった。跡取りの娘であるからそちらへ差し上げるわけには行かないと、歌女寿はわざと焦らすように一旦ことわると、相手はいよいよ乗り出して来て、いわゆる囲い者として毎....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の時代には鶉もいろいろの問題を起し易い生き物であった。善兵衛はやはり首をふって、焦らすように半七の顔を見た。 「判らねえか」 「わかりませんね」 「はは、貴様に....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いにしましょうかね」と、半七老人は云った。 これが老人のいつもの手で、聴く者を焦らすかのように、折角の話を中途で打ち切ってしまうのである。その手に乗ってはたま....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
、やや尻下りの大きい目が漆黒に煙っていた。両唇の角をちょっと上へ反らせるとひとを焦らすような唇が生き生きとついていた。胸から肩へ女になりかけの豊麗な肉付きが盛り....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
高い杉の森があって、正に富士を隠して居る。少し杉を伐ったので、冬は白いものが人を焦らす様にちら/\透いて見えるのが、却て懊悩の種になった。あの杉の森がなかったら....
木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
に一羽の鴨があるいている。はて珍らしいというのでそれを捕ろうとすると、鴨めは人を焦らすようについだぞ、気をつけろと呶鳴ってやると、猟師もはじめて気がつくんです。....
怪獣」より 著者:岡本綺堂
不思議な物が発見されたのです。」 博士はなかなか話し上手である。ここで聴き手を焦らすようにまた一と息ついた。その手に乗せられるとは知りながら、私もあとを追わず....
女侠伝」より 著者:岡本綺堂
待ちたまえ。急いちゃあいけない。話はなかなか入り組んでいるのだから。」と、K君は焦らすように、わざとらしく落ちつき払っていた。 秋の習いといいながら、雨は強く....
扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
ですが、私はどういうものか子供の時から、あの捉えどころのないような味と風体で人を焦らすような蒟蒻が大好物でした。私は鉛のような憂鬱に閉されて、湯玉で蒟蒻の切れの....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
この美しい山上の高原は彼等の住家ででもあるものか、執念く原を取り巻いて唯だ私達を焦らす許りだ。同じような斜面の何処を下りたらいいものか判断がつかない。こうなると....