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焦れる
「焦れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
焦れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
しも鎮まるけはいがない。寧《むし》ろ、諫《いさ》めれば諫めるほど、焦《じ》れれば
焦れるほど、眼に見えて、進んで来る。現に一度などは、危く林右衛門を手討ちにさえ、....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
ッ子』を尊敬しているか知らないのか。ことに地方の青年少女たちは、死ぬ程東京を恋い
焦れると同時に、一日も早く『江戸ッ子』になりたがっているんだよ。彼等は云わず語ら....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
思いながら、さっきの女客におびえているお徳はすぐに起つのを躊躇していると、外では
焦れるように小声で呼んだ。 「おい。もう寝たのか」 それが夫の声であると知って....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と、男はまだ躊躇しているらしく答えた。 「それがいけない。それが未練よ」と、女は
焦れるように云った。「疑いがかかるどころじゃない。もうすっかりと種をあげられてし....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
違ない。早く出してくれ。」 女は年こそ若いが、なか/\人を食った奴で、こっちが
焦れるほどいよ/\落ちつき払って、平気にかまえているのです。小面が憎いと思うけれ....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
託でもあるのか、呶鳴るような男の声も女ふたりの耳にはひびかないらしかった。下男は
焦れるように又呼んだ。 「これだから田舎者は仕様がねえ。おい、お島のおっかあ、何....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
見物している。 御行 (御所車の前まで文麻呂を連れて行って)この中にあなたの思い
焦れるなよたけの君がいるのです。文麻呂殿。なよたけはあなたのものです。なよたけは....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
花道よりおくみ、風呂敷包を抱え宿入り姿で出て来る。屈托の様子。) おくみ『ああ、
焦れる、
焦れる。これではわたしの年に一度の奉公休みも台無しだ。お上人さまにお目に....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
人なみに性を得てから、野末に捨ててやろうと思うが、自分で自分がどうにもならぬので
焦れるのじゃ。……病気といわれれば病気かのう」 又八は、何か急に気の毒になって....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
どを連れ、駒の口輪は、いつもの若党右馬介に取らせた。――そして高氏は今、しきりと
焦れる鹿毛の手綱を抑えながら、自邸の門から大路へ出て来た。 「若殿。鳥合ヶ原へお....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
独特の持ち味もなければ、習った形以外のうまみを見せるということがなかった。焦れば
焦れるほどかたくなった。 家元はもう投げてしまって、 「今となっちゃもう仕様が....