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然
「然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
然の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
人の女である。少年は怯《お》ず怯《お》ずこの店にはいり、空気銃を一つとり上げて全
然|無分別《むふんべつ》に的《まと》を狙《ねら》う。射撃屋の店には誰もいない。少....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
に相手が憎《にく》くなった。そこで甚太夫がわざと受太刀《うけだち》になった時、奮
然と一本突きを入れた。甚太夫は強く喉《のど》を突かれて、仰向《あおむ》けにそこへ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
箒をふり上げました。 丁度その途端です。誰か外へ来たと見えて、戸を叩く音が、突
然荒々しく聞え始めました。 二 その日のかれこれ同じ時刻に、この家の....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
貴らしい気がすればこそである。 この兄貴らしい心もちは、勿論一部は菊池の学殖が
然しめる所にも相違ない。彼のカルテュアは多方面で、しかもそれ/″\に理解が行き届....
「狂女」より 著者:秋田滋
とは思われなかった。哀れな狂女が床を離れずにいることを、根性まがりの女の自尊心が
然らしめるところだという風に釈った。普魯西の兵隊などには会うまい。断じて口を利く....
「墓」より 著者:秋田滋
出来なかったのであります。彼女が死んでしまうと、劇しい絶望のために、わたくしは茫
然としてしまって、もう考えも何もなくなってしまいました。わたくしはただ泣くばかり....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
しかなところを突止めることは出来ないので、そうした類いの自殺者に対しては、ただ漠
然と「不思議な」という言葉が使われるのだ。 そうした「動機もなく我とわが生命を....
「初雪」より 著者:秋田滋
ねるにつれてその肉体から温かみが失せてゆくものだが、それと同じように、この古色蒼
然たる屋敷も、幾世紀かの年月を閲するうちに、いつしか、つめたく冷え切ってしまった....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
傍らへ下ろされたり。この時の予はもとの新潟県下第一の豪傑穂垂周吉にあらずして、唖
然たる癡呆の一書生なり。馬車の動揺に精神を撹乱し、単純なる空気を呼吸したる肺臓は....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
十年間は上流社会の人達がデビーの講義を聞くために、ここに雲集した。しかし財政は依
然として余り楽にもならず、後で述べるように、デビーが欧洲大陸へ旅行した留守中につ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
の娘をつれて逃げてしまいました。 ド・サンテーズさんは、何事もなかったように平
然とした容子をしておりました。ところが、ある朝、何匹もの犬にとり囲まれて、その犬....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
い胡桃の木の林だった。わたしがその林のなかにはいりこんだのはちょうど午どきで、自
然はことのほか静かで、わたしは自分の銃のとどろく音にもおどろいたものだ。銃声はあ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
父親は道ばたに出て、声を限りに呼んだ。 「ジャン! ジャーン!」 もう暮色が蒼
然とあたりに迫っていた。夕靄が烟るように野末にたち罩め、ものの輪廓が、ほの暗い、....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
六日―― 殺すということがなぜ犯罪になるのだろう。本当に、なぜだろう。それは自
然の法則であって、すべてのものは、殺すことを仕事としている。生きんがために殺すこ....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
織り込ンだ『押絵の奇蹟』だったのである。 久作さんはかくして名探偵作家として突
然にも、夢の如く現れて来たのであった。 筆者がまだ郷里の商業学校の生徒であった....