然らしめる[語句情報] »
然らしめる
「然らしめる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
然らしめるの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
諸の堅実にひきかえ、敏捷を以て聞えた土地だ。この一般の気風というものも畢竟地勢の
然らしめるところで、小諸のような砂地の傾斜に石垣を築いてその上に骨の折れる生活を....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
罪、無罪は無罪であろう。北斎は密室を描いてもワイセツの低さはなかった。趣味教養の
然らしめるところである。 悪趣味や無教養というものはフンジバッて、牢屋へ投げこ....
「三十歳」より 著者:坂口安吾
し、すれ、獣類的ですらあったが、あの人は老成していた。それはなべて女のもつ性格の
然らしめる当然であったようだ。 私はまったく無能力者であった。私の小説などは一....
「選挙殺人事件」より 著者:坂口安吾
イにメモをしておく習慣があった。社会部記者の目は一物も見逃すべからずという戒律の
然らしめるところで、ヒマあればこれを取りだして心眼を磨くのである。 「これだ! ....
「狂女」より 著者:秋田滋
とは思われなかった。哀れな狂女が床を離れずにいることを、根性まがりの女の自尊心が
然らしめるところだという風に釈った。普魯西の兵隊などには会うまい。断じて口を利く....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
イヌの宣伝と弁明とに他ならない。それには幾多の情実もあるが、結局現代社会の欠陥が
然らしめるのだ。そして住み心地よい北海道、争闘のない世界たらしめたい念願が迸り出....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
頭には汗の玉がジットリういている。百姓は理窟ぬきで役人を怖れる。長く悲しい歴史の
然らしめる習性。身に覚えのあるアンニャの総代はゲラゲラ笑いたてて、 「オメ様に一....
「国枝史郎氏の人物と作品」より 著者:小酒井不木
、ある人が氏の探偵小説「銀三十枚」に感心してかかる優れた作品を生むのは氏の人格の
然らしめるところであろうと言ったのは私も大に賛成である。全く「文は人なり」という....
「棚田裁判長の怪死」より 著者:橘外男
わんや、私のこの考えを裏書きするごとくに、……怨霊の祟りが、祖先から伝わる因縁の
然らしめるところであろうと、判断しているこの私の考えを裏付けるごとくに、本年一月....
「文化線の低下」より 著者:小川未明
識と批判とを没しさせる、最大な原因は、今日の資本主義に基点を置く、ヂャナリズムの
然らしめることです。この悪い風潮は黙々として、自己の生産に従事しつゝある、あらゆ....
「挙国一致体制と国民生活」より 著者:戸坂潤
あるのであって、それが社会政策に類似するとすれば、つまりそれは挙国一致の一偶性の
然らしめる処と云う他ない。元来挙国一致の他に、社会政策などというものを考えること....